国際シンポジウム開催のご案内
(日本歯科医療福祉学会公開講座)

 このたび、川崎医療福祉大学の主催で痴呆性高齢者・障害者医療福祉国際シンポジウムが開催される運びとなりました。代表世話人は川崎医療福祉大学の武田則昭教授(日本歯科医療福祉学会評議員、企画検討委員会委員)で、日本歯科医療福祉学会が協賛し、痴呆性高齢者対策と地域ケア「米国の先進的痴呆性高齢者対策に学ぶ」と題して、米国での取り組みが紹介されます。日本歯科医療福祉学会会員の皆様の多数のご参加をお願い申し上げます。

日本歯科医療福祉学会            
                  理 事 長      長坂信夫 
                  企画検討委員会委員長 上原 進 

平成14年11月23 日(土)13:20〜16:50
 香川県歴史博物館 大ホール
  〒760-0030 香川県高松市玉藻町5番5号 TEL 087-822-0002

  JR高松駅から徒歩で約10分

平成14年11月24 日(日)10:30〜17:00
 川崎医療福祉大学 大講堂2601
  〒701-0193 岡山県倉敷市松島288 TEL 086-462-1111(代表)
  JR中庄駅から徒歩で約10分

 参加費:無料(但し、資料代として1,000円)、日本語通訳あり。
 両日ともに内容は同じですが、24日(倉敷会場)の方がより詳しい講演内容となります。どちらか1日参加、両日参加、いずれでも結構です。
 なお、日本医師会会員、日本歯科医師会会員については、当日、それぞれの受付にて資料、生涯研修の単位認定証をお渡しいたします。

企画・計画


痴呆性高齢者・障害者医療福祉国際シンポジウム
 痴呆性高齢者対策と地域ケア
「米国の先進的痴呆性高齢障害者対策に学ぶ」

T 在宅ネットワーク香川総会
    平成14年11月23日(土曜日)
            (日本歯科医療福祉学会特別企画in香川)

 後援:香川県、香川県社会福祉協議会、香川県医師会、香川県歯科医師会、香川県栄養士会、香川県歯科衛生士会、川崎医療福祉大学、他
  
U 川崎医療福祉大学主催国際シンポジウム
    平成14年11月24日(日曜日)
            (日本歯科医療福祉学会特別企画in岡山)

 後援:岡山県、岡山県教育委員会、岡山県社会福祉協議会、岡山県医師会、岡山県歯科医師会、他


 

概要(趣旨)

 超高齢社会、介護医療福祉の時代を目前に、高齢者問題、とりわけ痴呆や何らかの障害を有する虚弱高齢者の急激な増加が予測されています。そのため、医療は福祉を視野に、福祉は医療を視野に入れつつといった感覚から、一気に医療と福祉の連携、一体化が必要な時代に突入しています。また、我が国は過去においては脳血管疾患性痴呆(Vascular Dementia:VD)が多く、アルツハイマー型痴呆(Alzheimer's disease Dementia:ADD)は少ないとされた時代から、近年では、老年性痴呆の中に占めるADDの割合が次第に高くなっていると考えられるようになり、アルツハイマー型痴呆の予防や進行防止は欧米諸外国同様、大きな問題になっています。
 痴呆性高齢者対策は人類には未知の部分が多く、試行錯誤の面が多く見られます。とはいえ、欧米諸外国は高齢者対策について我が国に先んじて多くの先進的な取り組みがなされ、我が国は多くを学び、応用してきた歴史があります。それらの一部は施設入所からグループホーム、在宅への転換などに現れております。
 一方、知的障害者問題は長い歴史の中で、世界中で各種の取り組みがなされ、多くの成果と発展を遂げています。知的障害と痴呆とは基本的に異なるものではありますが、観点を変えてみると多くの共通性があります。その意味で、知的障害者対策は歴史の浅い「痴呆対策」に多くの示唆を与えることが期待されます。まさに、冒頭に述べた医療と福祉の連携を基本に進められてきた知的障害対策は、痴呆性高齢者対策のお手本と考えることもできます。
 今回の国際シンポジウムはこのような観点を踏まえて企画されたものです。米国の高齢障害者の地域医療福祉分野で際だった成果(「アルツハイマー型痴呆の評価と予防医学的プロジェクト」、「我が国の痴呆性高齢者に投げかける米国の先進性」)を挙げている専門家を招へいし、最もホットな取り組みを紹介していただきます。
 今回の企画が新たな発想を生み、我々が「障害を有する高齢者や痴呆性高齢者のノーマライゼーションの実現」に向けて今後、何を考え、何をなすべきかを学ぶ機会につながることを期待しております。

  

在宅ネットワーク香川第4回総会(日本歯科医療福祉学会共催)

  日時:11月23日(土曜日)13:20〜16:50
  場所:香川県歴史博物館 大ホール
  主催:在宅ネットワーク香川 
 年次総会世話人 武田則昭(川崎医療福祉大学教授)

T 開会の挨拶(13:20〜13:30)
    千田彰一(代表世話人・香川医科大学教授)
    江草安彦(川崎医療福祉大学学長)

U 第一部 ワークショップ(13:30〜14:30)

 「痴呆の評価とその基礎的・予防医学的プロジェクト 〜ダウン症を中心に〜」
     アーサー ダルトン博士(Arthur J. Dalton)
  質疑応答(14:30〜14:40)

V 第二部 シンポジウム(14:40〜16:40)

メインテーマ:「我が国の痴呆性高齢者対策に投げかける米国の先進性」

  講演T(14:40〜15:10)
   「米国における痴呆性高齢障害者対策の最新の動向に学ぶ」
     マシュー ジャニッキー教授(Matthew P. Janicki)

  講演U(15:10〜15:40)
   「Person Centered Planningの先進性と課題・展望」
     スティーブ ホルバーン博士(C. Steve Holburn)

  講演V(15:40〜16:10)
   「知的障害高齢者の先進的ファミリ−・サポートと実践紹介」
     ターマー ヘラー教授(Tamar Heller)

  質疑応答(16:10〜16:30)
  座長のまとめ(16:30〜16:40)

W 閉会の辞(16:40〜16:50)

 

高齢者・障害者医療福祉国際シンポジウム in 岡山
(日本歯科医療福祉学会特別企画合同)

  日時:11月24日(日曜日)10:30〜17:00
  場所:川崎医療福祉大学 大講堂2601

  シンポジウム代表世話人 武田則昭(川崎医療福祉大学教授)

T 開 会(10:30〜10:32)

U ご挨拶(10:35〜10:50)
    江草安彦(川崎医療福祉大学学長)
    長坂信夫(朝日大学学長)

V シンポジウム概説(10:55〜11:05)

    武田則昭(川崎医療福祉大学教授)

W 第一部 ワークショップ(11:10〜12:20)
    座長(総括) 岡田喜篤(川崎医療福祉大学副学長)

「痴呆の評価とその基礎的・予防医学的プロジェクト 〜ダウン症を中心に〜」

      アーサー ダルトン博士(Arthur J. Dalton)

X 第二部 シンポジウム(13:30〜16:55 )
    座長(総括) 末光 茂(川崎医療福祉大学教授)

 

メインテーマ:「我が国の痴呆性高齢者対策に投げかける米国の先進性」

  講演T(13:30〜14:20) 座長 上原 進(川崎医療福祉大学教授)
   「米国における痴呆性高齢障害者対策の最新の動向に学ぶ」
     マシュー ジャニッキー教授(Matthew P. Janicki)

  講演U(14:30〜15:20) 座長 中園康夫(吉備国際大学教授)
   「Person Centered Planningの先進性と課題・展望」
     スティーブ ホルバーン博士(C. Steve Holburn)

  講演V(15:30〜16:20) 座長 渡邊勧侍(岡山県立大学教授)
   「知的障害高齢者の先進的ファミリ−・サポートと実践紹介」
     ターマー ヘラー教授(Tamar Heller)

Y 閉 会(16:55〜17:00)



講師プロフィール

アーサー ダルトン博士(Arthur J. Dalton)
・ニューヨーク州発達障害基礎研究所(IBR NY) 加齢政策センター 副センター長
・ニューヨーク州発達障害基礎研究所 加齢研究センター 副センター長
・前カナダ アルツハイマー学会会長
・NIH ダウン症高齢者のビタミンE療法 研究主任など、他多数

 知的障害や発達障害の分野で30年以上の研究歴を有し、アルツハイマー病の本人及び家族のケア/支援についての専門的かつ実践的研究を欧米諸外国で展開している。その業績は高い評価を受けており、論文、著書は多数にのぼる。代表的な著書として日本でおなじみの「痴呆、加齢、知的障害」ハンドブック(BRUNNER/MAZEL社出版)などがある。
 昨年度からはNIHの大型研究プロジェクト(研究総額5億円強)「ダウン症の高齢者の痴呆予防」の研究主任を務め、欧米諸外国の23大学/研究所の協力の下、精力的に研究を展開しており、「痴呆の進行防止・予防薬」については米国大手製薬会社からも注目されている。今回のシンポジウムではそれらの関連の研究や成果を中心にご講演・指導をいただく。

マシュー ジャニッキー教授(Matthew P. Janicki)
・アルバニー大学(ニューヨーク州)知的障害者センター所長、研究教授
・米国シカゴ市、イリノイ大学・障害と人間発達研究所リサーチ准教授
・老化と精神障害のリハビリテーション研究訓練センター技術支援部長
・前ニューヨーク州知的障害および発達障害局高齢者等担当課長など、他多数

 一年の研究休暇をジョセフP.ケネディJr.財団の公共政策主任研究員として、国立老化問題研究所と米国上院議会で過ごす。老化問題、痴呆、公共政策、知的・発達障害者のリハビリテーションに関する著作多数。世界中で老化問題や知的障害について講演と研修を行う。米国での知的障害と発達障害国際会議長をつとめ、現在も老化問題特別研究会議長と国際知的障害研究協会(IASSID)の財務担当をつとめている。

スティーブ ホルバーン博士(C. Steve Holburn)
・ニューヨーク州発達障害基礎研究所(IBR NY) 応用行動分析部 主任研究員
・ニューヨーク州発達障害基礎研究所 Person-Centered Planning 部 主任研究員
・学士:ニューヨーク州立大学、修士:シラキュース大学、ボール州立大学、博士:ニューメキシコ大学

 現在は国際的に評価が高く、障害者、加齢、遺伝子解析等の分野で著名な研究者を多数輩出しているニューヨーク州発達障害基礎研究所で主任研究員をつとめる。ここ最近米国で特に注目されるPerson-Centerd-Planningの研究では指導的役割を果たしている。今回は本年度Person-Centerd-Planningについて博士が執筆した教科書の概説、米国/世界における最新情報について紹介していただく予定である。この分野では米国の若手研究者の第一人者として評価が高い。

ターマー ヘラー教授(Tamar Heller)
・イリノイ大学シカゴ校 健康人間発達科学部 障害・人間発達大学院 教授 学部長
・イリノイ大学シカゴ校加齢・発達障害研究センター 教授 所長
・イリノイ大学リハビリテーション・教育研究センター 教授 所長など、他多数
・米国加齢研究プログラム 研究主任
・家族研究・サービスプログラム 研究主任
・各種国際的学術雑誌 編集委員、委員長など、他多数
・学士:ウイスコンシン大学、修士:ルーズベルト大学、博士:イリノイ大学シカゴ校

 現在は国際的に評価が高く、障害者、加齢、遺伝子解析等の分野で著名な研究者を多数輩出しているイリノイ大学シカゴ校において、大学教授、助教授、助手、研究者、研究助手、大学職員併せて192人を擁する障害・人間発達学部(1年間の研究費25-30億円)の長として、全米のみならず欧米諸外国で活躍している。研究分野は多岐にわたるが、最近では高齢者(知的障害者や各種の障害者を対象)の脱施設化に際しての心理行動科学的研究(当事者や家族のパニック、適応行動、サポートシステム、家族支援)、THP(健康づくり、ヘルスプロモーション、肥満予防)、権利擁護、死・死亡の教育などで国際的に注目されている。教授は米国政府の指定特別研究機関の所属長を務める傍ら、各種の学会長も務める。昨年度は、イリノイ大学シカゴ校を中心に70年以上に渉って開催されている、知的障害者の分野では世界でも有数の高齢者や障害者のリハビリ等を研究する国際専門学会・シンポジウムの会長を務めた。