分子生理学

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藤村 篤史  教授

生理現象のゆらぎをミクロとマクロに捉える:
生命の根幹とその破綻がもたらす病態を分子から解き明かす

教 育

生理学は非常に躍動的で魅力あふれる学問です。私たち教員は、この魅力を学生の皆さんにお伝えするため、単なる知識の詰め込みではなく、生理学を体系的に理解できるよう工夫して講義します。また、皆さんが将来、臨床医学を学んだり医学研究に従事したりする際に困ることのないよう、考える力を養える講義を目指して教員一同全力で取り組みます。

【学部教育】生理学I(医学科2年)、生理薬理実習(医学科3年)、症候論(医学科3年)、医科学研究(医学科3年)
【大学院教育】神経生理学、分子生理学特論、可塑性病態論(以上、医学科博士課程)

研 究

私たち生命体が恒常性を維持できるのは、「生理現象のゆらぎ」の積算に適応できる機能が細胞レベルでアプリオリに備わっているためです。当教室では、この「生理現象のゆらぎ」をキーワードに、①細胞の可塑性、②遺伝子発現の可塑性、③細胞内代謝の可塑性を3本の柱として研究しています。①細胞の可塑性については、細胞の分化・脱分化レベルを自由自在に制御する技術の応用開発に取り組むほか、細胞の可塑性が破綻した末路である癌細胞の始まりを根源的に解明します。②遺伝子発現の可塑性については、転写と翻訳のそれぞれの制御機構がどのように生理現象を説明できるのか、神経系細胞をはじめとして様々な場で検証したいと思います。また、それらの制御機構の乖離や破綻が引き起こす様々な生理現象について、臨床応用を目指した研究を進めています。③細胞内代謝の可塑性については、主にアミノ酸代謝の新たな制御機構を念頭に、ノックアウトマウスを含めた動物や細胞を駆使して、様々な生理現象を解明していきます。
いずれのテーマにおいても、固定概念に縛られることのない、自由で大胆な発想をもって研究に取り組んでいます。また、「生理現象のゆらぎ」を分子的に理解することを通して、それが関連する様々な臨床課題について、その解決法を提案し続けていきます。

大学院を目指すかたへ

当教室では、熱意あふれる学生諸兄と共に研究できることを心から楽しみにしています。「あらゆる生命体の根幹をなす普遍的な生理現象を分子的に探求したい」、あるいは、「人の健康に役立つ研究をこれまでにない視点で展開したい」、そういった情熱をもって行動できる方はぜひ当教室の門を叩いてください。これまでの経験や学歴は一切問いません。お待ちしています。

教職員

職名氏名専門分野
教 授 藤村 篤史 分子生理学、幹細胞研究、癌生物学、創薬化学
学内講師
神鳥 和代 細胞生理学
技能補佐員 香西 香澄  
事務職員 川下 奈生