胚細胞腫瘍は、始原生殖細胞を起源として発生する腫瘍であり、主として小児期と青年期に生殖器(精巣、卵巣)と体中心線にあたる部位、すなわち縦隔、後腹膜、松果体、神経下垂体部などに好発します。分類は、悪性奇形腫、胎児性癌、卵黄嚢腫瘍、絨毛癌などがあり、その頻度は、原発性脳腫瘍の2.8%、14歳以下の小児例では全原発性脳腫瘍の9.8%であります。好発部位は、松果体や鞍上部であります。


 臨床症状は、松果体部では、中脳水道閉塞による閉塞性水頭症を生じ、頭痛、嘔吐、軽度の意識障害を初発することが多いとされています。鞍上部では、尿崩症による多飲、多尿で発症することが多く、視交叉を侵すことが多く、視力・視野障害を合併することもまれではありません。


腫瘍マーカー
 胚細胞腫瘍の診断において血清および髄液中のαフェトプロテイン(AFP)とヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)-βサブユニットの測定が重要であり、これにより術前診断が可能となる場合があります。
画像診断
 画像診断はMRIで行いますが、病理像がさまざまであるため、一定ではありません。


 組織によって、予後良好群、中間群、不良群に分けられ、それぞれに、手術による組織診断を適切に行い、化学療法、放射線療法を行います。