香川大学医学部 脳神経外科学

      教授  田宮 隆

 平成19年7月1日より香川大学医学部脳神経外科学教室を担当させて戴くことになりましたので、一言ご挨拶を申し上げます。私は昭和56年に岡山大学医学部を卒業し岡山大学脳神経外科学教室に入局しました。脳神経外科専門医および学位を取得、尾道市民病院や岡山市民病院での救急疾患を中心とした脳神経外科診療を経験した後、平成3年から平成15年3月まで岡山大学脳神経外科で臨床と研究を行いました。途中、平成4年より1年6ヶ月間、米国ハーバード医科大学・マサチューセッツ総合病院脳神経外科・分子遺伝子学部門で脳腫瘍の遺伝子治療の基礎研究を行いました。そして、平成15年4月から香川医科大学脳神経外科(現香川大学)に異動し現在に至っております。


 当教室は昭和58年4月に開設され、初代教授の大本堯史先生そして平成3年7月より2代目教授の長尾省吾先生のもとで充実した診療、研究、教育を行って参りました。

 臨床におきましては、香川大学医学部附属病院は四国地区の中核病院のひとつであり、常に最も良質でかつ高度の医療の提供が求められており、実際「患者さま中心の良質かつ最新の低侵襲な脳・脊髄・末梢神経の治療」のキャッチフレーズで、脳神経外科領域で扱う幅広い診療を行っております。具体的には、附属病院診療科ホームページにアクセスして戴ければと思いますが、良性脳腫瘍に対してはナビゲーション・モニタリングシステムを用いた低侵襲で安全で正確な脳神経外科手術をめざしています。間脳下垂体部腫瘍は、内分泌内科と共同で術前・術後評価を行って患者のQOL向上を目指した治療を実践しています。また、PET(ペット)による脳腫瘍の最新診断を行い、悪性脳腫瘍に対しても薬剤耐性遺伝子検索に基づく化学療法(先進医療)、小児科と連携した大量化学療法などを積極的に行っています。脳卒中、頭部外傷などに関しては、救命救急センターに脳神経外科専門医を2人派遣しており、脳卒中内科、放射線科とも協力して最新の治療を行っています。特に最近では、脳卒中に対する最先端治療として血管内手術が著しい進歩を遂げていますが、当科では脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、頚動脈狭窄病変に対するステント拡張術などの脳血管内手術を年間60例以上行い、全国でも有数の脳血管内手術施行施設となっています。その他、脊髄専門医による脊髄・脊椎疾患に対する低侵襲手術、機能的脳神経外科(パーキンソン病に対する定位脳手術)、などの特色のある脳神経外科診療を行っていますが、今後さらに充実させたいと考えています。

 研究におきましては、基礎的研究を行うことは科学的思考力や洞察力を養う上で臨床医にとっても非常に有用な経験になると考えています。悪性脳腫瘍に対する遺伝子治療の研究、脳腫瘍細胞の薬剤耐性遺伝子の研究、PETによる脳腫瘍や脳血管障害に対する最新診断、脳血管障害や頭部外傷における脳浮腫の研究などを基礎講座と協力して充実させたいと考えています。

 教育におきましては、専門性の高い知識と堅実な医療技術の習得に加え、現在の国際化・情報化社会に対応でき、人としての優れた倫理観を持つ優秀な医療人を育成したいと考えています。そして当科のスタッフと共に協力して、優秀な若い脳神経外科医を一人でも多く育成し、脳神経外科の益々の発展に貢献したいと考えています。

 香川大学医学部脳神経外科学教室を診療・研究・教育にバランスのとれた脳神経外科教室にさらに発展させたいと考えております。興味のある医学生、先生方はホームページを見て戴き、気軽にご相談下さい。