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乳房温存療法ガイドライン〜日本乳癌学会

1)腫瘤の大きさが3cm以下
2)広範な乳管内進展のないもの
3)多発病巣のないもの
4)放射線照射が可能なもの
5)患者が希望すること


乳房温存手術ができないケース

乳房温存手術ができないケース
このようなケースでも乳房温存手術ができる方法がある
術前化学療法(手術前に抗癌剤治療を行って腫瘍を縮小させることが目的)
↓↓↓
ガイドラインの条件を満たされれば乳房温存手術が可能になる
ケース1ケース2


術前化学療法で乳房温存手術が可能な場合 ケース1

術前化学療法で乳房温存手術が可能な場合ケース1


術前化学療法で乳房温存手術が可能な場合 ケース2

術前化学療法で乳房温存手術が可能な場合ケース2


手術術式の決定法

乳房温存手術
温存手術の適応基準を満たしている場合
術前治療の結果、適応基準を満たした場合

↓↓↓上の基準を満たさない場合

全乳腺摘出術
乳房温存手術の適応基準を満たさない場合
乳房皮膚や乳頭乳輪を切除する必要のない場合
乳房切除術
乳房温存手術の適応基準を満たさない場合
乳房皮膚を切除する必要のある場合

化学療法

 いわゆる抗癌剤療法です。抗癌剤には内服から注射薬まで多くの種類があり、その効果や副作用は様々です。癌の種類や進行度により使用抗癌剤が選択されます。通常注射剤治療で3〜6ヶ月間、内服薬治療で1〜2年間行われます。


乳癌で用いる化学療法剤

  • シクロフォスファミド(エンドキサン)
  • アンスラサイクリン(アドリアマイシン、エピルビシン)
  • メソトレキセート
  • フルオロウラシル(5-FU)
  • タキサン系(パクリタキセル、ドセタキセル)
  • CPT11(トポテシン)
  • カペシタビン(ゼローダ)
  • TS1(ティーエスワン)
  • ビノレルビン(ナベルビン)

主な抗癌剤の組み合わせ

  • CMF:エンドキサン、メソトレキセート、 5FU
  • AC:アドリアマイシン、エンドキサン
  • CAF:エンドキサン、アドリアマイシン、5FU
  • FEC:エンドキサン、エピルビシン、 5FU
  • AT:アドリアマイシン、タキサン
  • CT:エンドキサン、タキサン

術後化学療法により再発率をどれだけ減少できるか!

術後化学療法により再発率をどれだけ減少できるか!


抗癌剤の副作用

  • 消化器症状(嘔気、嘔吐、下痢、食欲低下)
  • 全身倦怠感
  • 脱毛(エンドキサン、カペシタビン、5-FUでは稀)
  • 血球減少症(白血球、血小板等)
  • 色素沈着
  • 末梢神経症状(しびれ等):タキソール、タキソテール
  • 出血性膀胱炎:エンドキサン
  • 心筋症:アドリアマイシン > エピルビシン
  • 手足症候群:カペシタビン(ゼローダ)
  • 血管炎:ナベルビン
  • 肝障害:メソトレキセート

乳癌の内分泌療法

乳癌細胞の大部分は、女性ホルモン(エストロゲン)の作用によって増殖活性化する

↓↓↓

体内のエストロゲン産生あるいは機能を低下させる目的


乳癌の内分泌療法剤

  • 抗エストロゲン剤
  • アロマターゼ阻害剤
  • LH-RH アゴニスト
  • プロゲステロン製剤

ホルモン療法剤の作用機序

ホルモン療法剤の作用機序


内分泌療法はいつ行うか

  • 術後補助療法として使用する
    (効果はすでに証明されている)
  • 術前補助療法として使用する
    (臨床試験中)
  • 再発・転移症例に使用する
    (生命に影響を及ぼさない場合は、抗がん剤より先に使用する)

内分泌療法を受けると再発・死亡率をどのくらい減らすことができるのか?
手術後タモキシフェン20mg(ノルバデックス1錠)を毎日5年間服用
↓↓↓
年間死亡率を30%低下させることができる


ホルモン剤の副作用

ホルモン剤の副作用


乳癌における放射線療法の適応

  • 乳房温存手術後の乳房照射
  • 局所進行乳癌に対する局所照射
    炎症性乳癌、胸壁潰瘍など
  • 再発乳癌に対する照射
    局所再発、骨転移、脳転移など

乳房温存療法における乳房照射

乳房温存療法における乳房照射
【推奨線量】
乳房:1日2Gy、週5回法で、総線量50Gy
腫瘍床(電子線boost照射):10Gy/5分割または9Gy/3分割


  • 乳房全体を照射野とし、癌遺残の疑いのあるものは、腫瘍床にも追加照射(boost)する。
  • 線源は60Coγ線や4〜6MVXを使用し、肺への照射野を少なくするために、接線対向2門照射を行う。
  • 線量を均一にするために、Wedgeや補償フィルターを併用する。

参考資料:大川智彦ほか:日本臨牀、58増刊号、173,2000ほか