私が当科を担当するようになってはや12年になります。
2009年は106例の肺癌手術を手術死亡なしで行うことが出来ました。この間、我々の合い言葉は一貫して、自分のもっとも愛する人に行う治療をアート(卓越した技術)、ハート(患者さんの身になって)、サイエンス(科学的根拠)に基づいて、すべての患者さんに行うことでした。当科が扱う主な疾患は肺癌、乳癌ですが、どちらもこの先10-20年間増加し続けると予想されています。これらの疾患に対して世界基準の治療を行うとともに、世界に発信できる新しい治療法の開発に心がけています。
原則は患者さんの病態に最も適した手術を安全に行うことです。
早期の肺癌に対しては胸腔鏡を用いて皮膚切開の小さい手術を行い、術後の入院期間は7日前後になっています。従来、治療成績が良くなかったリンパ節転移を伴う肺癌、隣接臓器に浸潤する進行肺癌に対しては、術前に抗癌剤・放射線の治療(術前導入療法)を行った後に完全切除を行っています。導入療法を行った進行肺癌の手術例は100例を超し、その治療成績は世界に誇ることが出来ます。
また、遺伝子解析に基づくオーダーメイド化学療法を行い、最大の治療効果、最小の副作用を追求しています。この研究は、肺癌の遺伝子治療に発展しています。さらに臨床に応用できる再生医療を目指しています。私は長い間、気管移植、肺移植の研究を行ってきましたが、我が国の脳死移植の現状から再生医療に興味を持ち、“移植から再生に”と夢を広げています。肺胞、気管軟骨、胸郭、食道などを自己の幹細胞(あらゆる細胞に分化できる細胞)と増殖因子(幹細胞を目的とする臓器に分化させる因子)を駆使して再生させる研究です。
外科は厳しい、つらいという風潮がありますが、苦しいからこそ得られる達成感があります。夢をつむげない今だからこそ、夢を持ち(dreamer)、夢を達成する(dream maker)ことは大きなロマンです。患者さんの夢、希望が叶うよう全力を尽くします。
| 横見瀬 裕保 教授 経歴 |
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- 当講座は専門領域として、呼吸器外科、乳腺外科、内分泌外科の領域を担当します。
呼吸器外科は横見瀬教授が担当し、乳腺内分泌外科は紺谷講師が担当しています。外科は消化器外科、心臓血管外科、当科に分かれており、完全臓器別診療体制をとり専門性の高い診療を行っています。後期研修は外科全体で行っており、外科3部門の連携はきわめて緊密です。
最新で最高の治療はもとより、次世代の治療法の開発にも日夜取り組んでいます。
『自分たちの一番大切な人に行う医療を
アート(技術)、ハート(思いやり)、サイエンス(科学的根拠)
に基づいて、患者さまに提供する』
この理念を基に、日々診療にあたっています。
具体的には、肺癌に対するオーダーメード治療をはじめ、当科で扱う疾患すべてにおいて、個々の患者様の状態に応じた最善の治療を行っています。


















