前立腺肥大症とは

前立腺肥大症は中高齢男性にみられる進行性の疾患です。50~65歳の男性の約15%、65~80歳の男性の約25%が中等症以上の臨床症状を伴う前立腺肥大症の患者さんであることが想定されています。前立腺は膀胱の下部、尿道括約筋の奥にあるクルミ大(約15g)の臓器で、男性生殖器官のひとつです。ほぼ中央を尿道が貫いています。

前立腺肥大症は前立腺の内側の部分が腫大する病気です。前立腺腺腫は数十gのことが多いのですが、なかには100gを超す大きなものもあります。

前立腺が腫大すると尿道を圧迫して排尿障害を起こします。また閉塞に伴う膀胱機能の変化により、排尿困難以外に頻尿、尿意切迫感、夜間頻尿などのいわゆる刺激症状も出現します。最悪の場合には尿がまったく出なくなってしまいます。この病態を尿閉と呼びます。

 

症状

前立腺肥大症の主な訴えは、「尿をする回数が多い(1日8回以上)」「急に尿がしたくなって、がまんが難しいことがある」「がまんできずに尿をもらすことがある」「夜何度もトイレに行く」「尿が出にくいことがある」などです。

原因

なぜ前立腺が肥大するのか、いくつかの仮説はありますが、はっきりした原因はわかっていません。しかし、男性ホルモンの存在と加齢が前立腺肥大症の発生と進行に影響していることは疑いの余地のないところです。

診断

ず初診時には問診を行います。国際前立腺症状スコア(IPSS)とQOLスコアを用いて重症度を評価します。IPSSは7種類の自覚症状の強弱をそれぞれ点数化したものです。ひとつの症状につき6段階(0~5点)に点数化されています。合計点で評価します。最も症状の強い人は35点になります。QOLスコアは患者さんがどれほど日常生活に困っているかを7段階(0~6点)の点数により評価します。

次にエコー検査、血液検査、尿検査などの簡単な検査を行います。排尿症状があるからといって、前立腺肥大症とは限らないので他の病気の可能性も考えながら検査を行います。行われる検査には以下のようなものがあります。

 

《腹部エコー検査》

膀胱や前立腺の形・大きさを超音波で調べます。

《尿流量測定》

記録器械に接続された小用便器に排尿してもらい、勢いを調べます。

《残尿測定》

排尿後、膀胱内に尿がどれくらい残っているか超音波で調べます。

《膀胱鏡》

陰茎から細いカメラを挿入して尿道・膀胱を内側から観察します。

 

また、大事なポイントとして前立腺癌の除外があります。

血液中の前立腺腫瘍マーカー(PSA)値の測定や直腸診(肛門から指を入れて、経直腸的に前立腺を触診すること)を行います。

治療

前立腺肥大症に対していろいろな治療法があります。症状の程度とそれによってどのくらい患者さんが困っているかにより治療方法が決定されます。

 

1.薬物療法

前立腺部の尿道の圧迫を緩める作用をもったα1ブロッカーと、腫大した前立腺を縮小させるアンチアンドロゲン薬と5α還元酵素阻害薬、植物製剤、漢方薬があります。その人の症状や体の状態に合わせて処方します。

 

2.手術

尿道から内視鏡を挿入して前立腺腺腫を切除します。

当院では電気ループを用いて前立腺をかんなで削るように少しずつ切除する方法(TUR-P)と、レーザーを用いて前立腺腺腫を摘出したり、蒸散する方法(HoLEP、HoLAP)を行っています。前立腺の大きさや全身状態により、その人に合った方法をとります。

 

前立腺肥大症

 

 

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