重点的治療や特色について

1.低侵襲治療
  • 腹腔鏡手術

副腎腫瘍、腎腫瘍、水腎症、停留精巣などに対して行なっています。

開腹手術と比べ、疼痛の軽減、入院期間の短縮、傷が小さいなどのメリットがあります。

  • 腹腔鏡を併用したミニマム創手術
  • その他の内視鏡手術

前立腺肥大症、尿路結石、膀胱腫瘍、尿失禁、尿管膀胱逆流などできる限り多くの疾患に対して侵襲の少ない内視鏡手術を行なうようにしています。

 

2.根治と機能保持

根治性と機能温存の両立を目指した癌治療

当教室の大きなテーマとして、根治性と機能温存の両立を目指した癌治療の開発と実践があります。

「根治性」とは悪性腫瘍を徹底的に除去し、将来に起こりうる生命への危険から回避させることです。

「根治性」の追求は、一方で患者さんの有する何らかの正常な機能を代償にしなければならない宿命にあります。例えば膀胱癌では膀胱の除去に伴い、尿を溜めたり排尿する機能が失われますし、前立腺癌の手術ではしばしば勃起機能が失われます。

こういった患者さんの払わなければならない犠牲を出来るだけ少なくし、かつ「根治性」を維持するための手術方法や新たな治療法の活用の具体例を、各臓器別に下に示します。

 

  • 腹腔鏡手術

a. 腹腔鏡(体腔鏡)下腎摘出術

腹部に3本ないし4本の直径1cmまでの穴をあけるだけで、腎臓(および癌)の摘出を行います。開腹手術と比較して格段に小さな傷で、なおかつ出血量も少なくすむ利点があります。適応は、直径5cmくらいまでの比較的小さな腎臓癌に絞っています。尚、尿管癌に対する後腹膜鏡補助下腎尿管全摘除術も積極的に施行しています。

 

b. 腎部分切除術による正常部腎の温存

直径4cm以下の、比較的外方へ突出する形の腎臓癌では、癌とその周囲の正常組織を一部摘除するだけで、残りの腎を温存する手術法を積極的に取り入れています。文献的にも予後に差がなく、根治性の点でも問題ないと考えられています。

 

  • 膀胱癌

a. 腸管を利用した新膀胱(ネオブラダー:neobladder)手術

膀胱癌のため膀胱の摘除が必要な患者さんには、腸管(多くは回腸終末部)を使って畜尿するためのパウチを作成し、尿道に吻合して自然に排尿していただく術式を積極的に採用しています。

ただし、尿路の再建や変向術式は多種類あるため、患者さんに十分な理解をしていただき、選択してもらうようにしています。

 

b. 勃起機能を維持するための神経移植手術

男性では膀胱癌のため膀胱を摘出する場合、膀胱のすぐ下に連続的に位置する前立腺も同時に摘出しなくてはなりません。

膀胱癌の発生部位などによっては、膀胱の両側下方から前立腺の側方を通り、陰茎に向かう勃起神経(陰茎海綿体神経)も切断せねばならないことがあります。

術前の性機能が正常な比較的若年の患者さんには、前立腺全摘施行時にひ腹神経や陰部大腿神経の移植手術を、当院の形成外科の協力のもと行っています。

まだ、新しい治療法で、海外での成績も十分集積されていませんが、患者さんの性機能を維持しながら癌を根治させる方法として期待されています。

 

  • 前立腺癌

a. 腸管を利用した新膀胱(ネオブラダー:neobladder)手術

前立腺癌で全摘出を行う場合、前立腺の側方を通り陰茎に向かう勃起神経(陰茎海綿体神経)も切断せねばならないことがしばしばあります。そのため、術後の勃起能は60-80%の症例で損なわれます。

そこで術前の性機能が正常な比較的若年の患者さんには、前立腺全摘施行時にひ腹神経や陰部大腿神経の移植手術を、当院の形成外科の協力のもと行っています。

まだ、新しい治療法で、海外での成績も十分集積されていませんが、患者さんの性機能を維持しながら癌を根治させる方法として期待されています。

 

b. 精密に計画した放射線治療

前立腺癌に対する放射線治療は、癌を含む前立腺にできるだけ放射線を集中させ、周囲の直腸や膀胱に照射される線量が少ないことが成功の鍵となります。

当院には、CTスキャナーによる精密な放射線照射計画装置があり、手術が何らかの理由で施行出来ない患者さんや、癌が明らかに前立腺被膜を越えて広がっているステージCの患者さんに対して、男性ホルモンを抑える内分泌治療と併用して放射線治療を行っています。

最近では、放射線治療の前に、純金マーカーを前立腺に埋め込み、それを目印にしてさらに精密な照射を目指す工夫を開始しています。

 

c. 小線源治療  詳しくはこちら

 

3.腎臓移植  詳しくはこちら
4.尿失禁、排尿障害

尿失禁は中高年の女性を中心に、排尿障害は男性を中心に多く見られる症状です。

典型的な治療としては尿失禁の場合、薬物治療・手術療法(尿道固定)・バイオフィードバック(運動)療法などがあります。

排尿障害についても、前立腺肥大症のように膀胱から尿道に閉塞をきたす場合は、薬物療法・手術療法があります。また泌尿器科では他の診療科で治療されている疾患による尿失禁・排尿障害にも取り組んでいます。

たとえば、

  • 神経内科や脳外科で診られている神経変性疾患や、脳腫瘍術後のような排尿に影響のでる中枢の神経障害の状態。
  • 整形外科で診られている脊髄損傷や馬尾障害での神経因性膀胱。
  • 産婦人科・外科の疾患による骨盤内神経障害での状態。
  • 放射線治療による膀胱機能不全。

などです。

これらの大半は不可逆的な変化のため、よりよい排尿状態の獲得のための薬物治療や、間歇的自己導尿の指導を行っています。

また香川県内の主要医療機関の泌尿器科医や、排尿管理の現状に問題を感じている看護職・福祉関係者と一緒にさぬき尿失禁懇話会を構成し、香川県内の医療・老健施設での排尿管理の実態調査(おしめ・カテーテル)やホームページ作成を行い、公開市民講座の開催などで社会貢献を行う予定です。

 

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