教育方針


医師養成のための医学教育は、大学医学部の大きな使命です。しかし私達は、単なる医師の養成ではなく、責任と誇りを持って明日の医学・医療の発展に貢献しうる世界に通用するリーダーの育成を目指しています。そのため、当教室での教育のキーワードとして、国際化とダイバーシティを掲げています。教室には外国人が多く所属し、多文化を共有しています。教室内でのすべてのミーティングのみならず、医学部生講義の一部を英語で実施し、米国カリフォルニア大学やタイ国タマサート大学との国際交流活動を担当することにより、学生の国際化の向上にも貢献しています。

医学部医学科の卒前教育としては、全学共通科目(1年次)、早期医学実習I・II(1・2年次)、薬理学講義(3年次)、薬理学実習(3年次)、課題実習(3年次)や医学実習II(5・6年次)などを担当しています。研究に興味のある学生には、メンバーとして実際に研究を実施してもらっています。他大学でも、薬理学・臨床薬理学・生理学・腎臓学などの講義を担当しています(横浜市立大学、藤田医科大学、奈良県立医科大学、大阪大学、岡山大学、広島大学、鳥取大学、島根大学、愛媛大学、徳島大学、高知大学、久留米大学など)。また、学生の指導教官、学務委員会活動、サークル顧問、学友会長を務め、様々な活動に参加しています。

大学院生博士課程の教育は大学院総論に加え、多くの各論講義・実習を担当しています。また、指導教官となった大学院生に対しては、各スタッフによる細かい指導のもと、研究トレーニングがおこなわれます。毎週数回、研究結果やアイデアを英語で発表させ、議論できる場を設けています。他科の大学院生も参加していますので、テーマは広い分野に渡っています。これまで当教室では、全員が研究成果を英文誌に発表し、ほぼ留年なく博士課程を4年以内で卒業し、各分野で活躍しています。

研究生やポスドク教育は大学院で培ってきた研究手技を用い、自分自身で研究を組み立てていける能力を養成することを主眼に置いています。そのため、自身のアイデアが常に尊重されます。自身のアイデアをどのように証明すべきなのか、如何に新しい治療法の開発に結び付けていけるのかについて考えていけるよう、トレーニングをおこないます。加えて、各種研究費申請やラボのマネージメントについても教育します。

以上、当教室のモットーは、垣根のない自由な討論と自由な研究にあります。多国籍のメンバーでグローバルな共同研究を続けており、それを教育活動につなげる努力をしています。