業務の手引き

材料部の役割

材料部は、診療活動を安全・円滑に行うため、医療材料の再生・供給を行う部署である。
再生医療材料は、適正な洗浄と滅菌を実施し、確実な滅菌効果判定後に供給を行う。

主な業務内容

  1. 各部門・病棟の使用済み機器の洗浄・消毒・滅菌・供給
  2. 各部門・病棟の医療材料の供給・補充
  3. 一般鋼製小物の中央管理(補充・メンテナンス)
  4. 手術・診療に使用する鋼製小物のセット組立
  5. 手術セットコンテナ・手術用鋼製小物の管理
  6. 定数配置鋼製小物の定数補正・点検

鋼製小物の管理と、回収・滅菌依頼時の注意

一般的な鋼製小物は、材料部で中央管理しており、病棟・外来・中央診療部門での必要数を定数配置している。
定数配置鋼製小物は、回収後、回収箱内洗浄カゴを使用して洗浄滅菌し供給する。

<注意点>

  1. 定数配置している鋼製小物については、回収時滅菌依頼伝票は不要である
    定数配置以外の、部署管理の鋼製小物は滅菌依頼伝票が必要である
  2. 部署管理の鋼製小物以外の器材は、各部署で一次消毒し、十分乾燥してから滅菌依頼をすること
    (水分が残っていると低温滅菌器の稼動異常や滅菌不良が起こるため)
  3. 回収箱内に必ず部署名タグのついた洗浄カゴを入れておくこと
    (部署名タグが無いと部署不明となり供給できない)
  4. 回収箱の剪刀ラックに架けることが可能な形体の鋼製小物は、必ず架ける
    (洗浄カゴを洗浄機に入れた際に、剪刀ラックに開く形で入れてあると洗浄不良がおこらない)
  5. アルカリ洗浄液の熱水消毒に耐えられる物のみ回収箱に入れる
    (アルカリ性洗浄液を使用したウオッシャーディスインフェクターという高温ジェット処理洗浄を行うため、鋼製小物以外は破損してしまう可能性がある)

滅菌依頼・供給方法

1. 材料部の滅菌依頼物の定期回収・定期供給の時間と方法

部門 回収時間 供給時間 方法
病棟部門 7:30〜9:00 15:00〜16:30 システムカート(ダムウエーター)
外来部門 15:00 15:00 ローディングカート(搬送)
放射線部門 13:30 13:30 システムカート(搬送)

2. 材料部管理の定数配置鋼製小物の滅菌依頼
    使用後、回収箱の洗浄カゴ内に挿入して材料部に送る


3. 部署管理の鋼製小物の滅菌依頼
    滅菌物請求依頼伝票を添えて材料部に送る
    システムカートで自動搬送をする部署は、依頼伝票をビニール袋に挿入してシステムカートの上段に入れる
    (回収システムカート内部は、不潔取扱いをしており伝票が汚染されるため)


4. 部署管理の鋼製小物以外の医療材料の滅菌依頼
    各部署で消毒・乾燥後、滅菌物請求依頼伝票を添えて材料部に送る
    システムカートで自動搬送をする部署は、依頼伝票をビニール袋に挿入してシステムカートの上段に入れる
    滅菌依頼する医療材料は、ビニール袋に二重に挿入してシステムカートに入れる


5. パスボックス供給・運用方法
  1) 持ち出し
    基本セット請求票・滅菌物請求伝票に、持ち出し物品を記入し、「材料部控え」をパスボックス内に置き、引き換えに持ち出す
  2) 返却
    鋼製小物類は「物品貼付」伝票と共に返却
    使用後回収箱に入れて、使用後の部署定数鋼製小物と共に返却
    基本セットの場合は、セットに入っているセットシート(部署チェック後)も忘れずに返却する


6. 滅菌期限切れ滅菌物の再滅菌依頼
    材料部管理の定数配置の鋼製小物・・・ビニール袋に入れて返却(依頼伝票不要)
    部署管理の鋼製小物・医療材料・・・ビニール袋に入れて依頼(依頼伝票必要)


7. 使用済み基本セットの滅菌依頼・返却
  1)部署定数配置している基本セット
    基本セット請求票の定数の欄に数を記入して依頼
    滅菌終了後、供給する 
  2) 臨時使用の基本セット又は鋼製小物(パスボックスからの持ち出し使用分・臨時請求分)
    請求票の(物品貼付)を添えて材料部に送る
    洗浄終了後、材料部に回収して保管する

臨時依頼滅菌・臨時滅菌物請求の所要時間

1. 高圧蒸気滅菌の場合
    パスボックス運用をしていない鋼製小物は、前日9時までの依頼で翌日供給可能
    至急必要な場合の供給時間は、4時間(滅菌確認BI判定込み)以上を要する
    緊急使用で、滅菌確認BI判定なしの供給希望時は、「BI判定前持ち出し申請書」の提出が必要
    その場合の所要時間は、未稼働の高圧蒸気滅菌器がある場合で最短60分
2. プラズマ滅菌の場合
    原則として前日の15時までの依頼で、翌日の11時以後の供給が可能
    緊急使用で、滅菌確認BI判定なしの供給希望時は、「BI判定前持ち出し申請書」の提出が必要
    その場合の、所要時間は、未稼働のプラズマ滅菌器がある場合で最短60分
3. EOG滅菌
    通常依頼日から業務日2日が必要
    至急必要である場合は、前日の朝8時〜8時半までに電話連絡後に持参すれば、翌日の昼前に供給可能
    滅菌確認BI判定なしの当日早朝供給希望時は、「BI判定前持ち出し申請書」の提出が必要
    その場合、翌日12時(翌日が休日の場合は、業務日の12時)供給可能

衛生材料の供給方法

1) 病棟・・・週2回配達、保管場所でのカード提出分補充
               追加必要時は請求伝票で鋼製小物と共に供給
2) 各部門・外来・・・カード・請求伝票での請求があれば、鋼製小物と共に供給
3) 至急臨時請求・・・材料部に電話連絡後、伝票引き換え供給

滅菌物使用期限

滅菌後の安全保存期間は、滅菌法・包装材・保管場所・取扱いによって影響を受ける。 当院では、清潔エリア(OP室・材料部保管庫)と一般エリアでの保管で、各々使用期限を決めている。

滅菌使用期限
滅菌法 包装材 滅菌日からの期間
一般エリア 清潔エリア(OP) 材料部保管庫
高圧蒸気滅菌 滅菌バック 3ヵ月 3ヵ月 6ヵ月
不織布包み 1週間 1ヵ月 なし
滅菌コンテナ 6ヵ月 6ヵ月 6ヵ月
EOG滅菌 滅菌バッグ 3ヵ月 3ヵ月 6ヵ月
プラズマ滅菌 プラズマ用滅菌バッグ 6ヵ月 6ヵ月 6ヵ月

滅菌物の保管・取扱い方法

保 管

  1. 水濡れ・湿気を帯びる可能性のある場所で保管をしない
  2. 床から20〜25cm以内・天井から45cm以内での保管をしない
  3. 通行の多い場所での開放式棚保管をしない
  4. 保管場所(棚や引き出し)は埃等で汚染されていない
  5. 滅菌後のバッグにマジック記入しない
  6. 滅菌バッグをゴムやクリップで重ねたり折り曲げたりしない
  7. 保管場所には滅菌物以外のものを収納しない
  8. セット類を積み重ねて保管をしない
  9. 狭い場所に詰め込んで保管をしない

取扱い方法

  1. 床に落とした滅菌物は、滅菌バッグに入ったままでも不潔物として扱う
  2. 包装材料に破袋・汚染シミ・水シミが見られるものは不潔物として扱う
  3. 搬送時、滅菌物を腋の下にはさまない
  4. 濡れた手や汗で湿った手で滅菌物に触れない
  5. 滅菌バッグ外面の化学的滅菌インジケーターサインやセット内のインジケータ
    チップの変色サインを確認する
滅菌物保管状態評価票 ※「滅菌物保管状態評価票」は滅菌物は清潔な環境で保管する目的で保管状態評価票を使用し、他者・自部署評価をするように材料部から働きかけています。

材料部の既滅菌物供給基準

当材料部では、より安全な器械を再生供給するため、滅菌保証の目的で滅菌物の供給基準を設けている。滅菌物は、生物学的滅菌判定(BI)で滅菌確認をしてから供給するという方針である。
ただし、緊急使用の必要や事情のある場合には、「生物学的滅菌判定(BI)前滅菌物持ち出し申請書」の記入提出があれば、供給使用できる。

*BI(バイオロジカルインジケーター)とは:
    芽胞の入ったケースである。これを、滅菌物と共に滅菌器の中に入れて滅菌する。
    滅菌終了後、保温器に入れて培養し、細菌が死滅しているのを確認できれば、滅菌判定できる。
*BI判定結果が陽性だった場合は:
    再滅菌を実施する。BI判定前に供給されたものは、リコールを行い再滅菌する。
    確定判断には、二週間後の精密調査結果を待つ。
    BI自体の不具合や保温滅菌判定機に異常がある場合もあるため、多角的に検討する。