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国際貢献実績
ネパールでの
新生児蘇生教育活動
ネパールでの
新生児蘇生教育活動



ネパールでも安心して出産できる環境を!小さな命を救いたい!
安田真之先生のネパールでの新生児蘇生教育活動
香川大学小児科医局に在籍されていた安田真之先生(現香川大学卒後臨床研修センター准教授)は、ネパールにおける新生児蘇生法(NCPR)研修プロジェクトのため、現地を訪問されました。このプロジェクトは、ネパールの新生児死亡率低減を目指し、日本で培われた蘇生法プロトコルとシミュレーション教育を活用しながら、現地の医療従事者の育成と持続可能な研修体制の構築を目的としています。特に、新生児蘇生を現地でリードする「コアトレーナー」を育成する点が大きな特徴です。
プロジェクトの背景と目的
ネパールでは、新生児死亡率が依然として高い水準にあり、その主な要因の一つとして「新生児仮死」が挙げられます。適切な技術があれば救える命が多い中、統一された蘇生プロトコルの不足や教育体制の限界が課題とされています。これを解決するため、日本の「NCPR」を導入し、ネパールの医療従事者にその手技や考え方を伝えることで、現地に適した持続可能な教育体制の基盤を築くことが本プロジェクトの目的です。
トレーニングの詳細
研修初日は、コアトレーナーとなる6名のネパール人医師に向けた講義と実技を中心に行われました。午前中は、NCPRアルゴリズムをネパールの現行プロトコルと比較し、流れや基本的な運用方法を講義形式で解説しました。講義中には、参加者から活発な質問や意見が相次ぎ、議論の中で新たな視点を得られる場面も多く見られました。 午後のセッションでは、赤ちゃんの人形や実際の医療器具を使ったシミュレーションを実施。受講者は現実に近い臨床シナリオを体験し、判断力や手技を磨くとともに、物品の準備やチームワークの重要性についても学びました。実技では、「挿管チューブの配置」や「役割分担の明確化」といった現場特有の課題も浮き彫りになり、参加者同士でその解決策について議論を深める場面もありました。
リアリティを追求したシミュレーション
研修では、出産の瞬間を再現するため、安田先生自らが「赤ちゃんを取り上げる助産師」役を務め、リアルな状況設定の中で蘇生処置を進めるシナリオも行われました。このような実践的なシミュレーションは、蘇生現場で発生しうる緊急事態への備えとして、非常に効果的であることが確認されました。
持続可能な仕組みづくり
今回の研修の目的は、技術を伝えるだけでなく、コアトレーナーが自立的に若手医療従事者を育成できる仕組みを構築することにあります。そのため、安田先生をはじめとする日本の専門家は、指導方法や研修の進め方についても丁寧に指導。受講者のコアトレーナーは翌日、若手医療者に対して自ら研修を実施する実践的な経験を積みました。
活動の意義と今後への期待
安田先生が携わったこのプロジェクトは、現地の医療現場に根付く課題を解決し、多くの新生児の命を救う可能性を秘めています。特に、ネパールの医療者が主体的に研修を展開し、現地で教育の輪を広げていく基盤が整えられたことは、今後の持続的な医療改善につながる大きな成果となりました。
NPO法人ASHAによるクラウドファンディングのご紹介
今回のプロジェクトを支えたNPO法人ASHAは、「ネパールでも安心して出産できる環境を!小さな命を救いたい」というテーマでクラウドファンディングを実施しています。
この活動は、ネパールでの新生児蘇生法普及を通じて、多くの命を救うことを目指しています。
皆さまからの温かいご支援が、現地での持続可能な医療体制の構築に大きく貢献します。
詳しくは、以下のリンクをご覧ください。
NPO法人ASHAのクラウドファンディングページ