心理実践指導学

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坂中 尚哉  准教授

対人援助職の技とこころの探求
-人から学び、自分と向き合う営みを通して-

教 育

主に、教育臨床心理学特論、心理実践実習I・IIなどの大学院の授業を担当しています。特に、付属心理臨床相談室の運営を担いながら、ケースカンファレンスや大学院生のスーパーヴィジョンなどの臨床指導に携わっています。
クライエント一人ひとりのパーソナリティはもとより、育ってきた歴史や風土は様々です。心理臨床現場では、クライエントとの「対話」をめぐってでしか生まれない「何か」があります(もちろん、同時に自己内対話も大切です)。そこには、すぐには解決できない問題が多々持ち込まれます。そして、心理療法家には、二人の間に芽生える形容し難い不確かさを抱える営みが求められます。可能な限り、そうした曖昧さと共に生きることができる心理療法家を育成したいと思っています。

研 究

私の研究テーマは、心理臨床場面における「反復される語り」に関心を寄せ、主に事例研究及びフィールド調査で得られた語りを介し、質的研究をしてきました。また、カンボジア王国をフィールドに内戦体験者の外傷体験に関する事例の収集及び描画(バウムテスト)の検討を行ってきています。
直近では、アスリートの心理臨床(スポーツカウンセリング、メンタルトレーニング)を通じて、臨床心理学とスポーツ学の接点を見出すために、「身体性」「(身体的な行為、身体化)をキーワードに心理臨床及び事例研究を行っています。

大学院を志すかたへ

大学院の2年間は、公認心理師及び臨床心理士の作法を体験的に学び、心理療法家としての基本的姿勢を習得することに力点がおかれています。公認心理師及び臨床心理士の資格取得は、あくまでもこころの専門家の入り口に立つことでしかありません。大切なことは、不断に人間のこころとからだを適切に眺め続け、その不思議さに迷い、不確かさを生きる営みであると考えています。言うは易し行うは難し、私も日々苦悩しています。共に成長できればと思っています。

教職員

職名氏名専門分野
准教授 坂中 尚哉 臨床心理学、臨床スポーツ心理学