香川大学医学部 麻酔科学講座

Greeting教授あいさつ

麻酔科医のwell-being

香川大学医学部麻酔科学講座 教授 荻野祐一

香川大学医学部麻酔科学講座
教授 荻野 祐一

令和5年8月より香川大学医学部麻酔科学講座の4代目教授に就任いたしました荻野祐一(おぎの ゆういち)と申します。私は群馬から赴任しましたが、香川の擁する美しく静かな瀬戸内海、そこに浮かぶ島のように散在する里山、美味しい海産物に癒やされております。香川の街には活気があり、整然とした都市機能と豊かな自然のバランスは本当に素晴らしいです。そして香川最大の強みは芸術だと思っております。瀬戸内国際芸術祭に代表されるような芸術面でのアピールにより、世界中から来訪者を惹きつけています。現代人に必要な心の栄養とも言われる芸術を推進力とした、独特なポジショニングを得ている香川に、私は大きな可能性を感じております。

まず赴任して私が感じた当科の特徴に、医局組織の雰囲気の良さがあります。組織集団の雰囲気や文化というものは一朝一夕に作られるものではなく長年にわたり醸成され、割と組織を構成する個人にも影響を与えるものです。言い表すのは難しいのですが、ひとりひとり個人とお話したときの感じの良さが、ひとつの組織全体に通じる印象として感じられることがあります。個人そして組織からにじみ出てくる一貫した印象とは、組織の無形価値(ブランド)と言い表せるものかもしれませんーその無形価値をきっちりと継承し、願わくは発展させてゆく所存です。

また、当麻酔・ペインクリニック科の特徴のひとつとして、先代の白神豪太郎教授時代から取り組んでおられました患者さんへの手厚いケア、特に疼痛緩和に対する技術の高さが挙げられます。手術侵襲によってどうしても生じてしまう患者さんの痛みに対して、手術室から病棟あるいは集中治療部へと、継ぎ目なくケアが充実している現場を目の当たりにして、その技術力の高さに、私は大変に感銘を受けました。患者さんに寄り添ったケア、きめ細かい疼痛緩和を行い、患者さんに安全で快適な麻酔を提供していることが、当科の特徴、強みだと思います。

最後に、昨年の教授選考の際から、私は目標として、麻酔科医の魅力を内外に発信し、麻酔科医としての幸せを追求することを掲げておりました。人生を幸せに生きることを最近では well-being と言いますが、その well-being の実現にはコミュニケーションと相互理解、自律的な挑戦と自己実現が大切であるとの研究があります(定藤規弘先生[立命館大学先進研究アカデミー])。当麻酔科学講座は、麻酔科医として様々な立場の人と良好にコミュニケーションを取りながら自己の挑戦を続け、香川から全国、世界へと情報発信を行い、幸福度の高い自己実現を達成するのに最適な環境と考えております。魅力ある香川とともに「麻酔科医の well-being」を是非とも達成してゆきたいと考えております。


【略歴】

平成04年
 埼玉県立浦和高等学校卒業
平成10年
 群馬大学医学部卒業 同附属病院 研修医(麻酔科)
平成12年
 日本赤十字社医療センター 医員(麻酔科)
平成13年
 武蔵野赤十字病院 医員(麻酔科)
平成16年
 自然科学研究機構生理学研究所統合生理研究部門出向 (4-6月)
平成19年
 群馬大学大学院医学系研究科麻酔神経科学専攻博士課程(三年次)修了
平成19年
 群馬大学医学部医学科 助教(脳神経発達統御学講座麻酔神経科学)
平成26-27年
 群馬大学医学部医学科 助教(麻酔科 医会長)
平成28年
 群馬大学医学部附属病院 講師(麻酔・集中治療科)
令和5年
 香川大学医学部麻酔科学講座 教授(麻酔・ペインクリニック科)


【研究】

人間を対象としたマクロレベルでの脳画像解析(いわゆる“脳科学”)に取り組み、脳科学と麻酔科学が融合するテーマを模索してきました。脳における痛みの伝達と、痛みの感情、慢性痛の病態解明に取り組み、さらに神経科学、スポーツ生理学へと領域を拡張させながら、脳が本質的に持つ、学習や環境により形態と機能を柔軟に変化させる適応性(plasticity)の研究に取り組んでいます。


【受賞歴】

平成18年
 日本麻酔科学会 若手奨励賞
 「ヒト痛覚の体部位再現 - 脳磁図を用いて」
平成25年
 日本臨床麻酔学会 小坂二度見記念賞
 「脱水状態と痛み感覚の脳機能画像に関する臨床研究」
令和5年
 日本麻酔科学会 山村記念賞
 「脳画像解析を用いた神経plasticity(可塑性・適応性)研究」

【メディア出演】

クローズアップ現代 極限の“進化” 追い込まれるアスリート
(NHK総合テレビ、2026年4月27日放送)

放送内容はこちらから▶︎

NHK クローズアップ現代 出演時のイメージ

【著書】

痛みの心理学:感情として痛みを理解する(誠心書房)(編共著)

著書『痛みの心理学』の表紙

【取材】

季刊Be! 154号……特集/脳にとって「痛み」とは感情だった!
発行 2024年3月 ISBN978-4 909116-42-0

季刊Be! 154号 表紙

【座右の銘】

不動心(たとえ天地がひっくり返ろうとも心は平然を保ち冷静でいること)
「医師の不動心」としてボクシング専門誌に記事になりました。
(Boxing Beat 2023年7月号 125ページ)

Boxing Beat 2023年7月号 掲載ページ

【記事】

特別寄稿「水抜き減量は硬膜下出血リスクを高める」としてボクシング専門誌に記事になりました。
(Boxing Beat 2025年10月号 75ページ)

Boxing Beat 2025年10月号 特別寄稿ページ

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