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歯・顎・口腔外科の診療理念と概要

診療理念・概要 「治療法の特色 」   >   超選択的動注化学放射線療法

超選択的動注化学放射線療法

口腔癌に対する先進的な治療法です。口腔癌の場合、通常の全身化学療法(静脈点滴からの抗癌剤投与)のみでは根治(完全治癒)は困難と考えられています。しかし、腫瘍を栄養している動脈へ抗癌剤を直接投与する超選択的動注化学療法では高い効果が得られます。加えて、放射線療法と併用することにより根治が期待できます。この方法により『切らないで治す』ことが可能となり、大事な口腔の機能・形態を守り、患者様のQOLを損なわない治療を目指しています。


口腔領域を栄養する動脈は総頸動脈から分かれた外頸動脈のさらにその枝です。例えば舌なら舌動脈、頬粘膜なら顔面動脈、上顎なら顎動脈と例外もありますが大体決まっています。外頸動脈はそれらの枝を出した後、浅側頭動脈となり、耳の前を走行します。

カテーテル
抗癌剤

われわれが行っている方法は外頸動脈の終枝である浅側頭動脈からカテーテルを挿入し、目的とする癌を栄養する動脈へカテーテル先を留置します。そのカテーテルを用いて抗癌剤を投与することにより、より高濃度で効率良く癌に対して薬を投与することが可能です。
  • 当科では上記の方法を用いて、連日、抗癌剤を放射線治療に併せて投与し、高い効果を得ています。
  • 抗癌剤を投与するカテーテルの挿入は原則、局所麻酔で行っています。
  • 連日の抗癌剤の投与、放射線治療があり、また全身管理の面からも入院下での治療となります。
  • 原発巣以外に頸部リンパ節転移がある場合には、頸部郭清が原則必要です。
  • この治療の適応があるかどうかについては精査が必要です。