平成22年度 8020運動推進特別事業 口腔がん検診事業
実施期間 平成22年6月30日~平成23年3月20日
目的
近年増加の一途をたどる口腔がんに対する県民の知識向上を図るとともに疾患の早期発見を通して、8020運動の趣旨である口の健康維持を進める。歯科開業医の各種粘膜疾患に対する診断能力を向上させ、う蝕と歯周病以外の疾患にも幅広く対応できる県内歯科医療体制の構築を目的とする。
事業で得られた効果
スキルアップセミナーにより、受講者にとって口腔がんの疫学、診断、治療、予後に関わる知識が整理でき、実際の症例に関して模擬患者からの問診、口腔内診査を通じて、口腔内悪性病変に対する診断能力の向上が図られた。これにより口腔を診る機会の多い歯科医師によって、増加傾向にある口腔がんに対して、早期の段階で発見されることが期待される。
口腔がん検診では、県民に対する口腔がん検診の広報を通じて、口腔のがんに関しての認識を拡げることができた。この活動により、県民に対して口腔がんの社会啓蒙も図ることができ、歯や歯周組織のみならず、口腔粘膜疾患に関しても、病気の早期発見、早期治療の重要性を認識頂けた。参加された方にとっては、口腔がんに関する知識が得られ、検診では、口腔がんのみならず粘膜疾患や良性疾患の診査も施行され、専門医受診の機会となった。
実施内容
- 1.歯科開業医のためのスキルアップセミナー
- 2.香川県民を対象とした口腔がん検診
実施方法
- スキルアップセミナー:香川県歯科医師会会員からセミナー受講希望者を募り、香川県歯科医師会館および香川県歯科医療専門学校において、口腔がん診断能力を向上させるための専門医による講義資料を用いた講習、症例呈示ロールプレーによる(口腔外科専門医が患者に扮した)実習を行った。
実施日:平成22年10月10日および11月7日
(同じ内容のセミナーを2回開催した。)
参加者 日時 講義のみ 講義・実習 計 第一回 10月10日(日) 14人 11人 25人 第二回 11月7日(日) 16人 19人 35人 - 口腔がん検診:豊島小学校および歯科ユニットのある香川県歯科医療専門学校において、島民および県民から希望者を募ってがん検診を実施した。検診に先立ち、口腔がんに関する講演を行った。検診は、口腔がんスキルアップセミナーを受講した歯科医師が中心になり行い、口腔外科専門医が、検診の二次チェックを行った。
平成22年11月21日(日)実施
場所: 豊島小学校 検診歯科医師3名(内口腔外科専門医1名)受診者26名
平成23年 1月23日(日)実施
場所: 香川県歯科医療専門学校 講演: 「口腔がんの正しい知識を身につけよう」 講師: 香川大学医学部歯科口腔外科学講座 教授 松井義郎 検診: 「専門医による口腔がん検診」 検診歯科医師20名 口腔外科専門医8名 検診受診者117名

ロールプレイによる診断実習

2回のセミナーに69名の歯科医師が参加

講義(口腔がんとは?)

口腔がんの検診