ごあいさつ
一歩一歩前に
消化器外科学 岡野圭一
2021年9月に消化器外科学教授を拝命して、この春で1年半が過ぎようとしています。皆様の支えによって、なんとか良いスタートがきれたと思っています。
この春の野球日本代表の侍ジャパンの活躍は我々に多くの勇気を与えてくれました。長く厳しい新型コロナ感染拡大下での医療に疲弊していた我々に、決してあきらめることなく常に最善を尽くす大切さを教えてくれました。
現在、消化器外科では年間400件以上の全身麻酔下消化器外科手術を施行しています。肝胆膵、食道、直腸などの難治癌に対しても術前治療や補助療法を組み合わせた手術を行い成績の向上を図っています。2023年5月には消化器内科・腫瘍内科等と協力して中国四国地方では初となる膵臓・胆道センターを附属病院に開設しました。診断と治療が難しいこの領域の窓口を一本化してシームレスに診療を行うことでより良い医療をお届けできると確信しています。
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また、2022年末に内視鏡手術支援ロボットが2台体制(da Vinci XとXi)となり、教室の方針の一つである低侵襲手術の推進が順調に進んでいます。直腸、結腸、食道、胃、膵臓のロボット支援下手術導入を終えて、順調に症例数を重ね良好な短期成績が得られています。
膵臓移植は、昨年当院10例目を施行しましたが、膵、腎グラフトとも良好に機能しています。四国唯一の脳死下膵臓移植実施認定施設として待機患者は増加傾向であり、引き続き安定した治療成績を目指していきたいと思っています。
また、地域医療における最後の砦として、腹部救急疾患・重傷外傷に対する外科治療にも積極的に取り組んでいます。我々の取り組みは全国からも認められ、2024年9月27・28日に第16回 日本Acute Care Surgery学会学術集会を主催させて頂く事となりました。
人材育成は我々の最も重要な役割です。当教室は、温かい雰囲気の中で大切に“人を育てる”ことを行っています。これからも一人一人の多様性を認め、包容力のある教室において“信頼される外科医”の育成を実践してまいりますので、志を共にする新しい仲間をお待ちしています。
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沿革
昭和53年 |
香川医科大学(現香川大学医学部)設立。 |
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昭和55年4月1日 | 田中聰教授が就任。外科学講座第一外科学(現消化器外科・心臓血管外科)開設。 |
昭和59年 | 教授1、助教授1、講師2、助手3で教官がすべてそろい、現在本学での消化器外科及び心臓血管外科の基を築きあげる。 |
平成6年3月 | 第一外科の基礎を築き上げられた田中聰教授が定年退官。4月から第二代教授として前田肇教授が就任。 それまで徐々に進めてきた臨床・教育・研究という大学病院の3本柱をさらに発展させ、多くの成果をあげている。 |
平成9年 | 田中聰名誉教授が香川医科大学学長に就任。多大な業績を残して平成12年に退官。 |
平成15年10月 | 国立学校設置法の一部改訂により、香川医科大学から香川大学医学部となる。 |
平成17年 | 前田肇教授が香川大学副学長に就任され、第一外科教授を退官。 |
平成18年4月 | 講座再編により第一外科が消化器外科と心臓血管外科の2講座に分かれ、それに伴い同年6月に消化器外科に鈴木康之教授が着任。 |
令和3年4月 | 鈴木康之教授が退任され、兵庫県立淡路医療センター院長に就任。 |
令和3年9月 | 岡野圭一准教授が消化器外科学教授に就任。 |