ごあいさつ
飛躍の年に
消化器外科学 岡野圭一
2024年の干支「甲辰(きのえ・たつ)」は、「春の日差しが、あまねく成長を助く年」になるという意味があるそうです。消化器外科学教授を拝命して、この春で2年半が過ぎましたが、これまで皆と共に積み重ねた努力が実を結び、飛躍の年にできそうな予感がしています。
消化器外科では年間400件以上の全身麻酔下消化器外科手術を施行しています。特に大学病院として肝胆膵、食道、直腸などの一般病院では対応が困難な難治癌に対して術前治療や術後補助療法を組み合わせた手術を行い成績の向上を図っています。さらに高難度手術においても患者に負担をかけない低侵襲手術・特にロボット支援下手術を行うことにより、集学的治療との相乗効果を図っています。すでにロボット支援下手術は、当科においても多くの術式で導入を終えて標準化されています。皆様に負担の少ない安全な手術をお届けするため常に進歩する努力を怠らないようにしていきたいと思います。

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我々の教室は開設当初から、地域における最後の砦として腹部救急外科医療、外傷手術にも積極的に取り組んでまいりました。それが我々の特徴であり強みでもあると考えています。その取り組みは全国からも認められ、2024年9月27日・28日には四国では初となる日本Acute Care Surgery学会を高松で主催させて頂きます。外科の新たな領域であるAcute Care Surgeryが外科の未来を切り拓いてくれる事を期待し、この領域の発展のために力を合わせて準備をしています。
最も嬉しく将来の飛躍につながることは、この春に新たに二名の専攻医が教室に加わってくれることです。二人とも学生の時から消化器外科診療に興味を持ち、我々の患者や手術に対する姿勢に共感してくれたようです。彼らの姿を見ていると教育の大切さ、若さのエネルギーや可能性を感じます。教室の将来、香川のみならず、日本あるいは世界の外科を担うかもしれない大切な人材であり、しっかりと育てていきたいと思います。当教室は、温かい雰囲気の中で大切に“人を育てる”ことを行っています。これからも一人一人の多様性を認め、包容力のある教室において“信頼される外科医”の育成を実践してまいりますので、志を共にする新しい仲間をお待ちしています。

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沿革
昭和53年 |
香川医科大学(現香川大学医学部)設立。 ![]() |
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昭和55年4月1日 | 田中聰教授が就任。外科学講座第一外科学(現消化器外科・心臓血管外科)開設。 |
昭和59年 | 教授1、助教授1、講師2、助手3で教官がすべてそろい、現在本学での消化器外科及び心臓血管外科の基を築きあげる。 |
平成6年3月 | 第一外科の基礎を築き上げられた田中聰教授が定年退官。4月から第二代教授として前田肇教授が就任。 それまで徐々に進めてきた臨床・教育・研究という大学病院の3本柱をさらに発展させ、多くの成果をあげている。 |
平成9年 | 田中聰名誉教授が香川医科大学学長に就任。多大な業績を残して平成12年に退官。 |
平成15年10月 | 国立学校設置法の一部改訂により、香川医科大学から香川大学医学部となる。 |
平成17年 | 前田肇教授が香川大学副学長に就任され、第一外科教授を退官。 |
平成18年4月 | 講座再編により第一外科が消化器外科と心臓血管外科の2講座に分かれ、それに伴い同年6月に消化器外科に鈴木康之教授が着任。 |
令和3年4月 | 鈴木康之教授が退任され、兵庫県立淡路医療センター院長に就任。 |
令和3年9月 | 岡野圭一准教授が消化器外科学教授に就任。 |
