農学部 情報生物学(2008616日 実習)

ゲノム塩基配列解析

 

目的

ヒトをはじめいくつかの生物種で全ゲノム塩基配列が決定されている。実験技術の進歩により,今後,さらに迅速に,さらに多くの生物種に対して,全ゲノム塩基配列が決定されていくであろう。全ゲノム塩基配列決定後,速やかに,遺伝子(ORF)の抽出を行い,それぞれの遺伝子が持つ機能を決定していく必要がある。ここでは,大腸菌ゲノムの1部を用いて,どのように遺伝子の抽出・機能予測を行うかを学ぶ。

 

手順 (詳細な手順はこちら。

1.大腸菌ゲノムの1部をダウンロードする。

例題   課題

 

2.遺伝子の位置を予測する。

GeneMrak (http://opal.biology.gatech.edu/GeneMark/)

 

3.予測した遺伝子をBLASTにより確認し,機能を予測する。

DDB BLASThttp://blast.ddbj.nig.ac.jp/top-j.html

GenomeNet BLAST (http://blast.genome.jp/)

 

考察

1.得られた遺伝子の構成を図に表してみよう。

例はこちら。

2.それぞれの遺伝子の予測された機能から,オペロンを形成しているか考えてみよう。

3.ORFの他,SD配列(reverseの場合注意),プロモーター領域,オペレーター領域,転写終結部位に見られる特徴ある塩基配列などを見つけて,あれば,ゲノム配列に書き加えてみよう。

例はこちら。

 

課題

 ヒトのある遺伝子(ダウンロードはこちら)の機能を予測してみよう。エキソン(朱書きで表示)だけを集めて,BLASTに入力する。

1.            予想されるタンパク質の機能とアミノ酸配列を記載すること。

2.            エキソンとイントロンのつなぎ目の塩基配列の特徴を考察する。

3.            このタンパク質の開始コドンはどこか? また,ポリ(A)尾部がつくサイトなども見つけて,ゲノム配列に書き加えてみよう。

 

以上,A4用紙にまとめて(できれば両面使用で),77日の講義終了後に提出すること。