医学部長挨拶

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香川大学医学部と附属病院は、高松市に隣接する讃岐平野の一角にあります。香川大学医学部は 1978年に香川医科大学として開学し、1996年に看護学科が併設され、2003年10月には旧香川大学と統合して現在に至っています。

また、2018年4月に全国の医学部で初めてとなる「臨床心理学科」を開設いたします。同学科では心理学と医学の基礎を融合したカリキュラムによる教育を行い、 医学的素養と心理援助の実践力を備えた心理の専門職の養成をめざします。

医学部では、次の3点の教育理念を掲げて、教育を行っています。

  1. 世界に通ずる医学・看護学の教育研究を目指す
  2. 人間性豊かな医療人並びに医学及び看護学の研究者を育成する
  3. 医学及び看護学の進歩並びに福祉に貢献すると共に、地域医療の充実発展に寄与する

本学部では、諸外国の医学部、医科大学と交流協定を締結し、活発な国際交流を行っています。外国の医学部、医科大学(ブルネイ・ダルサーラム大学、チェンマイ大学、ニューキャッスル大学、河北医科大学など)での医学科学生および看護学科学生の臨床研修、外国からの研修学生の受入れを行い、世界的視野を持った医療人および医学・看護学研究者の育成に役立っています。

また、香川県内の医療系学部を有する徳島文理大学並びに香川県立保健医療大学と連携して、3大学連携推進委員会を作っています。この委員会を通して、合同の新入生歓迎行事、大学間の遠隔同時配信システムを用いた学生講義の配信や大学祭での連携など、学生間の交流を促すことにより多職種連携教育の活性化を図っています。また、各大学の教員が集う公開学術交流会を毎年開催し、教員間の交流を通じた共同研究の推進を行っています。約10年におよぶ事業継続により多くの成果が上がっています。

研究面では、まず、希少糖に関しての研究が上げられます。自然界に多量に存在する単糖(ブドウ糖、果糖など7種類)に対して、自然界に微量にしか存在しない単糖は希少糖と呼ばれ、D-プシコース(D-アルロース)、D-アロース、D-タガトース、キシリトールなど約50種類が存在します。香川大学農学部にて希少糖の大量生産技術が開発され、香川大学農学部と医学部が中心になり、国、香川県、三木町等からの支援を得て、希少糖研究プロジェクトを推進しています。医学部では、D-プシコースが血糖上昇抑制作用や抗肥満作用を有していること、D-アロースは抗酸化作用や抗がん作用を有していることを明らかにして、臨床応用を目指しています。希少糖研究は世界的にも他に追随をみない研究であり、国際共同研究を推進するとともに、国際希少糖学会シンポジウムを高松市において定期的に開催しています。

香川県は遠隔医療ネットワークが充実しており、その中心に「かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)」があります。これは2003年度から香川県、香川県医師会、香川大学が一体となり、立ち上げた遠隔医療ネットワークです。更に2013年度からは、(承諾を頂いた患者さんの)基幹病院の電子カルテを他のK-MIX加入機関から参照することが可能になりました。「かがわ医療情報ネットワーク(K-MIX+)」と呼ばれるこのシステムにより、複数の医療機関の患者情報を連続して見ることができ、高度な連携による質の高い医療の提供を目指しています。

このように香川大学医学部では、地域の中核的医療機関としての役割を果たしつつ、世界的視野に立った人間性に溢れた医療人を育成し、21世紀の医療・保健・福祉の向上に貢献すべく努力しています。

香川大学医学部長  上田 夏生