香川大学医学部附属病院 薬剤部

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HIV認定薬剤師を取得するためには?

HIV認定薬剤師

HIV認定薬剤師を取得するためには?

HIV感染症薬物療法認定薬剤師の認定資格は、薬剤師として実務経験5年、HIV感染症患者に対する指導に3年、研修施設での実技研修、HIV感染症領域の講習会の単位、指導実績30症例以上、認定試験に合格等があり、上記条件を満たすことで認定の申請を行うことができます。(詳しくは日本病院薬剤師会のホームページをご覧ください)

資格取得にために大変だったことや、この病院でよかったこと。

当院は中核拠点病院に指定されており、市中病院に比べて患者数は多いと思いますが、都市圏に比べて患者が少ないため、症例集めには正直苦労しました。
部長をはじめ、薬剤部スタッフの理解もあり、経験年数の短い私も資格取得のために多くの講習会や研究会に参加させていただきました。また、出張費や認定試験等の費用についても負担していただきました。
さらに、当院のHIVチーム(医師、看護師、MSW等)は週に1回のカンファレンスで患者情報を共有しており、病棟業務を行いながら外来患者さんの情報を効率よく取得、情報提供することができます。また、チームも仲が良くみんなで飲みに行ったりもします。(コロナの影響でしばらくはいけなさそうですが・・・。)

HIV認定薬剤師の役割

チームの中の役割としては患者さんが抗HIV薬を服用する前に、薬剤の情報提供を行います。HIV感染症は現時点では根治はできないため一生薬を服用することになります。そのため、患者さん自身にも自分の治療方針決定に参加してもらう必要があることを説明しています。そして、服薬開始後の副作用モニタリングや抗HIV薬とそれ以外の薬剤(近医にて処方された薬剤など)との相互作用確認、残薬確認などを行っています。
HIV感染症患者さんだけではないかもしれませんが、自身の病気についてとても不安で孤独に感じる方も多くいますので、しっかり病気と向き合えているかや将来への不安などについてのお話をじっくり聞くこともあります。
また、HIV合併妊娠や小児の症例に関してはHIVチームだけではなく他科のDrや病棟のNsとのカンファレンスを通じて情報共有したりすることでチーム医療の実践を実感することができました。
現在ではHIV感染症=死ではなく、ウイルス量をしっかりコントロールできれば健康な人とほとんど差がないくらいの寿命が期待できるようになってきたために、生活習慣病やがん、介護などの問題点も出てきています。今後は当院の中だけでなく、長期療養型の病院や施設、リハビリ、介護施設などとの連携も含めた活動をしていきたいと思っています。