よくある質問

Q1:4年間でどのようなことを学ぶのでしょうか?

講義科目では、心理学・臨床心理学を体系的に学ぶとともに医学の基礎を並行して学習することで、身体と精神が相互に関連していることを理解し、心理援助者にとって重要な疾患や障害についての知識を習得します。「心理学基礎実験」や「心理統計法」などの実験・演習科目では、心の問題に対する実証的な研究法を学びます。さらに、少人数の体験学習による演習科目によって、人間性を尊重した対人支援(カウンセリングなど)の態度や共感的コミュニケーション能力を身に付けます。

また、学内・学外機関における実習科目では、Early Exposure(早期体験学習)として感性の柔らかい1年次から医学科の学生と連携してチーム医療を学び、いのちの大切さや病と共に生きることの意味を深く考えます。2年次では司法・産業領域など見学の場を広げ、3年次では福祉・教育領域で実際に対象者を担当します。4年次では附属病院の各部門を順に巡り、多職種連携など心理援助者にとって必須となる基本的な考え方と態度を習得します。このように、段階的に臨床心理の現場へ向き合う実習体系が組まれています。

Q2:医学部で臨床心理学を学ぶことのメリットはなんでしょうか?

医学部ならではの「こころ × からだ」の学びと実践的な実習を経験できます。人の「こころ」と「からだ」は密接に結びついており、相互に影響を与え合っています。そのため、「こころ」を理解するためには「からだ」についての学習を進めることはとても重要です。

本学科では、心理学・臨床心理学を体系的に学ぶと共に、「こころ」と「からだ」 に関わる医学的知識について、「解剖学入門」「心理援助職のための内科的疾患概説」「災害医学・緩和ケア」といった本学科ならではの科目を通して、心理援助者に必要な医学の基礎を学ぶことができます。実習においては、医学部で医師・看護師を目指す学生と共に学ぶことにより、現場で求められている多職種連携への取り組み方を身につけます。それらを習得することは、保健医療領域だけでなく、教育、福祉など他の領域においてもたいへん重要です。

Q3:文系からの受験も可能でしょうか?また、入学後の学習に支障はありませんか?

医学部にある学科ですが、理系・文系双方からそれぞれの得意科目を活かした受験が可能です。また、心理学の学習にはコミュニケーションや論述など文系的要素と、統計や実験など理系的要素の両方の側面があります。従って、文系、理系のいずれかの方が入学後の学習がとくに難しくなることはないと考えられます。なお医学の学習と関連が深い生物学については、1年次の全学共通科目で必要な内容を学ぶことができます。

Q4:臨床心理学科を卒業後、どのような免許や資格が取得できますか?

臨床心理学科を卒業後に取得可能な資格は、認定心理士、児童指導員(任用資格;当該職種に関連する一定の条件を満たした人が、当該職種に就くと付与される資格のことをこう呼びます)、心理判定員(任用資格)です。大学院修士課程修了時には、公認心理師(国家資格)、臨床心理士(公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会)の受験資格を取得できる予定です。

Q5:将来の就職先は、病院になるのでしょうか?

本学科は、医学部に設置されていますが、保健医療領域で活躍する人材に限定して養成するのではありません。心理援助者の活躍が期待される領域は、保健医療領域だけではなく、教育領域、福祉領域、司法・矯正領域、産業領域など多様です。本学科のカリキュラムや学習内容は、保健医療に限らず、教育・福祉など様々な領域で活躍するために必要な内容となっています。これを通して多彩な分野で活躍できる力量を備えた心理援助者の養成をめざしています。

Q6:卒業後にはどのような進路がありますか?

本学科は、徹底した少人数教育による細やかな指導のもとに公認心理師・臨床心理士の資格を取得して活躍する専門職者の育成を目指しています。そのため、大学院進学を主たる進路として想定していますが、もちろん、学科卒で社会に出て活躍することもできます。学科卒の進路としては、少年鑑別所法務技官(心理)、家庭裁判所調査官、児童相談所及び地方自治体等の行政機関(心理)、障害児・者施設指導員、児童養護施設等の児童指導員、児童発達支援センターの指導員、不登校児の通所施設である適応指導教室指導員などが想定されます。

Q7:大学院に進学する意義は何でしょうか?大学院での学習内容はどのようなものですか?

学士課程では、心理援助者が必要とする基礎的知識・技能などを習得します。しかし、それだけでは、心理臨床の現場で実践を行うには不十分です。公認心理師・臨床心理士の受験資格が、学士課程を修了した後に、大学院修了などの研鑽を経て与えられるのはこのためです。

大学院では、より高度な知識を身に付けるとともに、心理援助に直接携わる経験を通してより実践的な力を習得します。大学院生は、試行カウンセリング(学生の協力者をクライエントとしたカウンセリング)や附属の相談機関への来談者への相談(カウンセリングやプレイ・セラピィなど)にカウンセラーとして携わることになります。そして、担当した1回1回の相談について、教員からきめ細かな指導を受けます。

また、附属病院をはじめとする医療機関・福祉施設などにおける実習においても、心理検査や心理面接を担当するなど、対象者の方とより深く関わった実習がおこなわれます。このような大学院での学習を通して、心理臨床の現場での実践力が育成されていきます。

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