臨床心理学科長
竹森 元彦

香川大学医学部臨床心理学科、医学系研究科臨床心理学専攻は、心の悩みを抱える人たちに寄り添うために、その教育理念に基づき、心理学及び臨床心理学の体系的な知識、心理臨床における基礎的実践力とともに医学的素養を有し、援助的コミュニケーション能力を発揮して、医療・教育・福祉等の分野で多職種連携・協働ができる資質を持った心理援助者を育成します。

いま、病や障害を抱えながら、生き方や子育て、どう生きたらよいのかに悩む人たちの声が聞こえてきます。現代社会は複雑化し、長寿社会になったからこそ、人生の先が読めないような不安もあります。事故や災害にあったとき、私たちは突然大切なものを喪失してしまうときもあります。私は、どうなってしまうのだろう。どうして私だけが．．．相談室には多くの方々の悩みや苦しみを聴いてほしいとの思いが届きます。身体に対しては医療的なケアが必要ですが、その一方で、生き方に悩むことに何ができるでしょうか。それは、その人たちの声を言葉にすることを受け止めながら、一緒に考える人の存在です。悩みはなくなることはありません。ただ、それを素直に言葉にする場を、誰もが求めています。
そういった方々は、その気持ちに寄り添う心理専門家の力を必要としています。

苦悩を抱える人たちに寄り添い、支援することに意義を見いだしている皆さんの入学を心待ちにしています。一緒に讃岐の地で学んでみませんか。

香川大学医学部臨床心理学科長　竹森 元彦