HIV/AIDSの基礎知識

HIV感染症の検査

 HIVに感染しているかどうか知るためには、スクリーニング検査と確認検査を行う必要があります。最初にスクリーニング検査を行い、陽性反応が出たり、判定保留の結果が得られた場合に、確認検査を行います。確認検査で陽性が出た場合にHIVに感染していると判定します(図2)。

 スクリーニング検査ではHIVに対する抗体(抗HIV抗体)が血液中にあるかを調べます。抗HIV抗体は、感染後1ヵ月程度で検出できるようになりますが、個人差があり、確実に判定するためには3ヵ月程度かかります。従って、正確に検査するためには、感染が疑われる行為があってから、 3ヵ月程度経過してから検査を受ける必要があります。

 スクリーニング検査では、HIVに感染していないのに検査で陽性反応(疑陽性)が出ることがあります。この疑陽性反応は、妊婦や自己免疫疾患患者などで起こりやすいことが知られています。従って、スクリーニング検査で陽性反応が出ても、真にHIVに感染しているとは診断できません。必ず、確認検査を受ける必要があります。

 確認検査には、ウエスタンブロット検査(血液中の抗HIV抗体を検出する検査)と遺伝子検査であるRT-PCR検査(血液中のHIV遺伝子を検出する検査)があります。必ず、両方の検査を行い、いずれか一方あるいは両者で陽性反応が得られた場合にHIV感染と診断します。遺伝子検査であるRT-PCR検査では、HIVの遺伝子を直接検出する検査ですので、高感度にHIV感染を診断できます。特に、HIV感染早期の急性感染期におけるHIV感染症の診断に有用です。

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HIVの検査はいつ受ければいいの?

 梅毒やB型肝炎、淋病などの性感染症に感染した場合やその既往のある方、若い人(特に、男性)で繰り返し帯状疱疹を発症する場合などにはぜひ検査を受けるようにしてください。

 その他HIV感染症の可能性があり、心配である場合にも検査を受けてみてください。

 県内の保健所では、無料でHIVスクリーニング検査が受けられます。また、一部検査費用を自己負担する必要がありますが、当院を含め県内のエイズ診療拠点病院ではHIVスクリーニング迅速検査を行っています。その日に検査結果を知ることができますので、利用してください。

 

*ウインドウピリオドに注意

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