生活を営む上で水はとても大切です。多すぎても少なすぎても私たちの暮らしに大きな影響を及ぼします。長年に渡って水不足に見舞われてきた香川県は、讃岐と言われた時代からこの問題に直面してきました。そのようななか、昭和50年の早明浦ダム、香川用水の完成は、水不足の問題を劇的に緩和し、香川県に大きな恩恵をもたらしました。またこの時より、吉野川上流域と香川県は、新たな水系を通じた「上流域と下流域の関係」になりました。水源地は豊かな森林からなっており、水系全体の環境や私たちの生活の基盤となっています。
それから40年近くが経過し、上流域、下流域とも多くの社会的問題を抱えるようになりました。特に上流域では、高齢化と人口減少がいち早く進み、森林の保全が十分にできない状態が起きています。この状態が長く続くと、将来的には水系全体の生活圏に大きな影響を及ぼしてくるでしょう。すなわち上流域と下流域は一蓮托生であり、県境を越えた四国サイズの問題としてとらえる必要があります。これまで上流域と下流域の関係は行政主体で築かれてきました。その基本は今後も変わらないのかもしれません。しかしこれらの問題を理解し,解決に至るためには、民官学、市民レベルにおける、さらなる人と知の交流が必要と考えています。
【早明浦プロジェクト】は,大学等の研究機関,自治体,NPO法人等と市民で問題解決に向けた情報理解と情報共有および提案などの事業を展開しています.
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水源の森とそれに関わる方々と実際に逢い(見て),話を聞くことにより問題提起および問題解決に向けて取り組む方法を考えるための情報を収集することを目的とし,実施しました。
現在行われている上流域,下流域双方の活動を紹介するとともに,今後の上流域と下流域の共生について考えることを目的とし,「水系・水域と生活,上流域と下流域の共生を考える」をテーマに開催しました.
「上流域と下流域の交流について考える」をテーマに,香川県および高知県の研究者と上流域と下流域の自治体職員をゲストにお迎えし,交流の在り方について議論しました.