香川県での自殺予防プロジェクトに携わり、抑うつ傾向のある人の特徴として「周囲とのつながりが希薄」「会話の機会が少ない」という点が挙げられました。これらの特徴は、日本語を話す機会が少ない、付き合いや会話が限定的になりがちな海外在住者に最も現れやすいのではないか?との仮定のもと、私共は、「海外在留邦人のメンタルヘルスに関する研究」というテーマで、海外にお住いの方々の心の健康について調査しました。調査票フォームはこちらになります。(現在は調査を行っておりません)
コラム
夏目漱石の英国留学とうつ(出典:東北大学図書館)文豪、夏目漱石は34歳の時ロンドン留学を命ぜられ、妻子を残し単身でロンドン留学を行いました。明治33年(1900年)当時、海外での単身赴任は現在の比ではないくらい大変だったかと思いますが、英語が堪能であった漱石でさえ、「神経衰弱」と評されるほどメンタルヘルスに不調をきたし、帰国しております。当時の記載から、おそらく抑うつ状態にあったと考えられ、環境や言語・文化の変化がメンタルヘルスに影響を与えたものと思われます
結果
海外在住者は国内の日本人の一般的数値と比較して、抑うつ傾向を表す数値が高いことがわかりました。
調査の支援:
本研究は文部科学省科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)により支援されております。(若手研究(B):海外在留邦人のメンタルヘルスに関する研究:課題番号24790620 研究代表者:依田 健志)