
内分泌・代謝
グループ
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診療グループの概要
小児の内分泌・代謝領域では、各疾患の基本的な知識とともに、小児の性差や個人差を含めた成長・成熟について理解し、診療を進めていくことが必要です。新生児マススクリーニングで陽性となった赤ちゃんや、さまざまな症状・所見から疾患を呈する小児について、各疾患をスクリーニング・鑑別し、診断を確定していきます。診断が確定した患者さんについては、成長・成熟を考慮した長期管理を行うとともに、緊急を要する内分泌的病態や代謝救急についても緊急対応を行っています。当院では、県内の多くの小児内分泌・代謝疾患の患者さんの診療に携わっています。
注力している疾患
新生児マススクリーニング検査
新生児マススクリーニング検査とは、知らずに放置するとやがて神経症状が出たり、生命にかかわるような障害が発生したりする可能性のある生まれつきの病気(先天代謝異常等)を赤ちゃんのうちに見つけて、発病しないように対策を講じて障害発生を予防する事業です。生後4~6日の赤ちゃんの足の裏から、ごく少量の血液を採取して検査を行います。当院では、検査で陽性となった赤ちゃんについて、先天性甲状腺機能低下症や先天性副腎過形成症等の精査、診断、治療にかかわっています。
早期発見・早期治療によって生命予後・神経学的予後が改善できる遺伝性難病が増えたため、遺伝性難病の発症前診断として、香川県では、これまでの20疾患に加えて、拡大新生児スクリーニング検査(ライソゾーム病、重症複合免疫不全症、脊髄性筋萎縮症)を導入予定です。当院が窓口として香川県内の診療整備を行っています。
香川県小児生活習慣病健診
香川県では、全県下の小学校4年生を対象として毎年小児生活習慣病予防健診を行っています。成人してからの脳卒中・心筋梗塞などにつながる高血圧、高脂血症、痛風や尿酸結石のリスクを高める高尿酸血症、2型糖尿病の予備軍の発見、生活指導につながるのみならず、小児期から発症する家族性高コレステロール血症、1型糖尿病の早期発見ができるというメリットがあります。当院では、高LDL‐C血症を指摘された家族性高コレステロール血症の治療など、健診結果に基づいた精査やその後の診療を行っています。
成長ホルモン分泌不全性低身長症
低身長の小児のフォローを行い、適切な時期に成長ホルモン分泌負荷試験を行っています。その結果や成長曲線での経過を考慮して、外来にて成長ホルモン製剤の治療も行っています。
その他
骨系統疾患への新規薬剤の導入や、先天代謝異常症(尿素回路異常症、脂肪酸代謝異常症、ライソゾーム病等)の診療も行っています。また、糖尿病学会連携教育施設に登録しており、小児糖尿病に対するインスリン治療や若手医師への指導も行っています。
研究の概要
香川県小児生活習慣病健診で指摘された家族性高コレステロール血症の遺伝子検査の研究を循環器内科と共同で行っています。研究を進めることで、患者さんにとってより良い診療を還元できるよう、心掛けています。
診療グループ長の紹介

役職 | 准教授 |
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出身大学 | 香川医科大学 |
卒業年 | 平成5年(1993年) |
専門 | 小児血液がん、小児内分泌、小児代謝 |
所属学会 |
日本小児科学会 日本糖尿病学会 日本小児内分泌学会 日本内分泌学会 日本甲状腺学会 日本小児感染症学会 日本周産期・新生児医学会 日本新生児成育医学会 日本小児救急学会 日本血液学会 日本小児血液・がん学会 日本小児臨床薬理学会 日本小児口腔外科学会 日本先天代謝異常学会 日本レンゲルハンス細胞組織球症研究会 日本小児神経学会 |
資格等 |
日本小児科学会 小児科専門医・指導医 がん治療認定医機構 がん治療認定医 日本血液学会 血液専門医 日本糖尿病協会 登録医 日本肉腫学会肉腫指導医・専門医(小児科医、化学療法) |
メンバー構成
岩瀬 孝志、井上 依里

関連病院
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診療グループ長からの一言
香川県では、小児内分泌や先天代謝異常症を専門的に診療できる医療者が少なくなってきています。次世代医療のためにも、診療の窓口を広げられるようにしたいと考えています。当院では、入院・外来診療での症例相談を中心に、若手医師に積極的に教育・指導をしています。専門医取得やキャリア形成についても、一緒に考えていきます。