香川大学医学部小児科

教育と研修

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留学のご案内

当医局ではサブスペシャリティー領域の研修や研究のために、国内・海外留学を積極的に行っています。国内・海外留学先の実績は以下のとおりです。

国内留学先(実績)

  • 東京都立小児総合医療センター
  • 静岡県立こども病院
  • あいち小児保健医療総合センター
  • 神奈川こども医療センター
  • 済生会横浜市東部病院

海外留学先(実績)

  • Drexel University
  • The Ritchie Centre,Hudson Institute and Medical Research
  • The University of Washington Medicine

海外留学を体験したお2人の先生方にお話を伺いました。
まずは今年の春まで2年間、米国シアトルのThe University of Washington Medicineに留学されていた岩城拓磨先生のお話です。

どんな研究をされていたのですか?
私は小児科全般を診療していますが、その中でも小児腎臓病に力を入れてやっています。
2013年4月から2015年3月までアメリカ合衆国ワシントン州シアトルのUW (University of Washington) Medicineで研究留学の機会をいただき腎臓病の研究をしてきました。シアトルはアメリカの北西部に位置し、山と湖と緑に囲まれたとても美しいエメラルドシティありでイチローの活躍でも一躍脚光を浴びました。またMicrosoft、Amazonを初めとしたIT系の企業がひしめき最先端の技術を求め世界中からたくさんの研究者、技術者がやってくる北西部最大の都市です。またスターバックス発祥の地でもあり香川のうどん屋並みにスターバックスがあります。シアトルでは2つの研究所で別々の研究をしました。 1つ目の研究所では肝腎症候群における急性腎障害に対してRelaxin投与が有効かどうかという研究をしました。内容です。Relaxinは妊娠期に発現が増える蛋白で出産に備えて骨盤周囲の靭帯を緩める(文字通りrelaxさせる)働きがありますが腎血管拡張作用もあるとみられている蛋白です。Relaxinの受容体であるRXFP1の腎臓での発現を主に研究しました。
2つ目の研究所では敗血症による急性腎傷害に対しperoxisome proliferator-activated receptor-α (PPARα)という中性脂肪のβ酸化を促す転写因子が病態を改善させるかどうかを研究しました。
いずれの研究所でも免疫染色、PCR、Western blottingにより組織や細胞レベルでの蛋白の発現を調べることにより分子生物学的な病態解明を目指しました。
研究の大切さで感じたことはどんなことですか?
仮説を立て研究によって病態が解明されれば治療法のオプションは増えますし今までに治療法がなかった難治性疾患が治療できるようになるかもしれません。現代の高度な医療は先人達の地道な研究によって成り立っていることを忘れてはいけないと思います。
海外留学をしてよかったことはどんなことですか?
医療もグローバル社会となり医学発展のために成果を世界中に発信しなければなりません。そんな中で英語を使うことや外国人の方とのコミュニケーションは必須になってきています。そのコンプレックスが解消されたことが一番の収穫でした。また異国の方との交流は本当に楽しいものでしたしその中で日本人の良さを再認識させられました。もちろん医学研究大国のアメリカでたくさんの研究ノウハウを取得することができたことも大きな財産です。
これから留学したいと思っている方へメッセージをお願いします
小児科は様々な領域の疾患を扱っていますし、小児は成長、発達をするので成人とは全く違った視点で研究すべきことがたくさんあります。私達も医療の質を上げるために日々成長してく必要があると思っています。大学病院は色んな医師や研究者と交流があり留学のチャンスが多いと思います。ただ初めから特定の分野の興味を持つ必要はなく仕事をしていく上でやりたいことがみつかることもあります。実際に私もそうでした。特に力を入れてやりたいことができればそれを応援する体制が私達の医局ではできています。今回も医局員みなさんの応援で留学を実現することができました。
  • (研究ラボの建物)

  • (Mount Rainier)

  • (右から2番目が筆者)

  • (研究室にて 中央が筆者)

次は現在オーストラリアのThe Ritchie Centre,Hudson Institute and Medical Researchに留学されている中村信嗣先生へのインタビューです。

  • (2010.4 撮影 台湾の学会で)

留学しようと思ったきっかけはなんですか?
留学する3年前に、アメリカ・コロラド州デンバーであったアジア小児科学会とアメリカ小児科学会の合同学会で発表する機会がありました。そこで、論文や教科書でよくみかけていた海外の先生たちに自分の研究内容を高く評価して頂きました。それがきっかけで研究に専念するようになり、研究にもっと集中できる海外でしっかりと研究をしたい!と思うようになりました。
海外留学の経験から何を学びましたか?
胎児生理学研究において、世界的でもトップクラスである私の研究所(The Ritchie Centre, Hudson Institute and Medical Research)では、20代から70代までの科学者たちが年齢を問わず議論し合い、切磋琢磨し合っています。このような環境の中では、自分の考えを執拗なまでに伝えなければ、研究は進みませんし、何も始まりません。このため、「自分の考えを相手にはどのように伝えるか?」ということの重要性を痛感し、常に考えるようになりました。特に言語面でのハンディがありましたので、できるだけシンプルに説明するようになりました。また、このために、日本にいたときよりも多くの論文を読み、講演会・研究会にも積極的に参加しました(週1回は研究所内でセミナーが開催され、ほとんどの論文は無料で読むことができました)。そこで得たものは、自分の研究分野に関する深い知見だけでなく、日本でいる時には興味がなかった分野のことなども多くあり、自分が大きく成長できたと感じました。
海外生活は不安ではなかったですか?
生活するうえで言語面の問題が、本当に苦労しました。しかし、「習うより慣れろ」で、少しずつ家族もオーストラリアの生活に慣れていきました。子供たちは、現地校に通ったのですが、のびのびとしたオーストラリアの教育システムが肌に合ったようで、すぐに学校が大好きになりました。特にお子さんがおられる方とって、教育環境が整っており、子供に対して寛容であるオーストラリアは、子育てにはもってこいだと思います。
休みの日などはどのように過ごしておられましたか?
オーストラリアは自然が大変豊かであり、野生のカンガルーがたくさん生息する国立公園に家族でピクニックに行ったり、長期休暇には、家族でキャンプにでかけ、オーストラリアの大自然を思いっきり満喫しました。夏は、庭で子供たちはプールで遊び、大人はBBQをしながら、のんびり過ごす、ということも多かったです。特に、年末年始にキャンプにでかけた際に、南半球の満点の星空を眺めながら、家族・友人らと過ごした年越しは、一生の思い出です。
若手医師の方々へのメッセージ
よく、「わざわざ海外に行かなくても・・・」とか、「日本の医療は世界でもトップクラスなのだから・・・」と言って、海外留学は無駄だと考える人がいます。しかし、幕末に欧米に渡った若き志士たちは、その後、大きな革新を日本にもたらしました。英語を全く話せなかった私たちの先祖たちは、勇気をもってその一歩を踏み出したのです。私たちに足りないのは、英語力でしょうか?決してそうではありません。世界の大海原へ勇気をもって一歩を踏み出したとき、新しい革新が始まると思います。
  • ビクトリア州南部フィリップ島にて

  • カンガルーをいなしているところ

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