香川大学医学部小児科

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共に生き、共に喜ぶ小児科

香川大学医学部付属病院 小児科講座のホームページへようこそ。
ホームページの最初の画面に表示された、『共に生き、共に喜ぶ』とは、小児医療、小児科学の教育と研究、そして国際交流を通じて、子どもたちと共に成長し、人として『成熟する小児科医』を目指す私たちの目標です。

小児科学は他の科と異なり、新生児から思春期までの小児期を対象とする、ヒトの成長と成熟という時間的変化を考慮しなければならない領域です。さらに特定の臓器を中心とするのではなく、子どもをヒト全体として見ていく総合医としての働きが必要です。そして新たなゲノム医療や出生前診断への対応、子ども虐待や貧困への医療医学の側面からの対策、等多面的な働きが必要となっています。またわが国では少子化が急激に進行していますが、そのような環境の中で乳幼児期の子育てを支え、学童思春期の育ちを支援する役割はますます重要になり、小児科医の役割も多様化してきています。 2014年4月からわたくし、日下が第3代教授に就任させて頂くこととなりました。『成熟する小児科』を表題として個々の教室員が人間的に成熟する教室を目指し、そして自分の専門分野を自発的に開拓する事を目標とし、特に人材教育、地域連携と国際交流を主眼とした講座運営を行ってまいりました。2022年度までの9年間で27名の新規専攻医が入局しました。そしてこれまでに27名の小児科専門医取得や他の専門医、指導医取得の指導を継続的に行っています。また指導教授として15名が医学博士を取得し、臨床工学師や理学療法士、看護師等の附属病院職員の大学院指導も行っています。科学研究費助成事業(日本学術振興会)においては、代表11件、分担を含め計49件の課題が採択されております。特に胎児・新生児分野においては、過去に国内で最多取得件数を得ており、外部資金取得にも積極的に取り組んでいる教室です。

同時に県内地域診療として、小豆島地区の小児医師派遣を積極的に行い夜間・休日対応を可能とし、四国こどもとおとなの医療センターへ総合周産期医療センターを中心とする人的派遣を積極的に行い、大学附属病院との連携で、香川県の周産期死亡率、乳児死亡率は日本で最も低い水準を誇っています。

海外医療への貢献として、ミャンマーにおける新生児黄疸に関して経皮ビリルビン値の基準値を作成しました。本基準値を基にしたスクリーニング体制を構築することで、高ビリルビン血症に対する交換輸血の頻度を大幅に減少させることが出来ました。
またブルネイ・ダルサラーム国において、それまで認められていなかった日本国医師免許での実地臨床を新生児医療領域で開始しました。今後、さらなる医療領域での2国間相互交換臨床業務の展開を企画しています。また英国、豪州との新生児脳障害の予防に向けた国際共同研究の枠組み作りも、積極的に行いたいと考えています。

2020年からはコロナ禍での対応を余儀なくされ、様々な制限やストレスがありました。そのような中で可能な限り小児・周産期医療に貢献可能な体制を維持してきました。今後も働き方改革の問題、地域医療格差の是正の問題等の方向性の相反する課題に取り組み、女性医師のキャリアアップ対策を行い、新規医療技術等を積極的に取り入れながら診療活動を行っています。

当科は「和を以て貴しとなす」の精神を大切にし、ONE TEAMで様々な問題に前向きに取り組む医局です。本ホームページで少しでも私たちの想いがみなさまに届くことを祈っております。

香川大学小児科学講座 日下隆