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研究内容(大林)

平成22年度 研究

  1. 「口腔扁平上皮癌患者のフルオロミソニダゾール陽性腫瘍と陰性腫瘍における血管密度とKi-67、p53発現の検討」
    (腫瘍の低酸素状態を把握できる標識化合物フルオロミソニダゾール陽性腫瘍と陰性腫瘍との病理組織学的相違の検討)
     症例の集積中
  2. 「口腔慢性移植片対宿主病患者の口唇粘膜と小唾液腺における血管密度と免疫細胞浸潤の検討」倫理委員会承認
    (口腔慢性移植片対宿主病の病理組織学的検討)
    1) 第55回日本口腔外科学会総会・学術大会にて「口腔慢性GVHDにおける血管密度と年齢および免疫抑制剤等との関連性」発表 2010
    2) XX CONGRESS OF THE EUROPEAN ASSOCIATION FOR CRANIO-MAXILLO-FACIAL SURGERYにて「Development of a virtual reality training system for removal of submandibular gland assisted by a surgical endoscope」発表 2010
    3) 第19回日本口腔粘膜学会にて「口腔慢性移植片対宿主病の粘膜および小唾液腺における血管内皮細胞密度の変化(The alteration of density of endothelial cells of blood vessels and immunocompetent cells in oral mucosa and minor salivary grand related to oral chronic graft versus host disease)」発表
    4) 第31回日本造血細胞移植学会にて「口腔慢性GVHDの粘膜および小唾液腺の免疫組織学的研究」発表

    【背景】

    口腔慢性移植片対宿主病(GVHD)は扁平苔癬様病変や過角化病変や萎縮による開口障害を臨床的特徴とし、病理組織学的には粘膜上皮下のリンパ球の浸潤と小唾液腺の導管周囲の線維化や導管へのリンパ球の浸潤や障害、腺房の破壊を伴った炎症を特徴とする。しかし小唾液腺や口腔粘膜への細胞浸潤の病態の詳細については明らかではない。

    【目的】

    口腔慢性GVHDの免疫組織学的検索を行い、その特徴を明らかにする。

    【結果】

    細胞浸潤に関して口腔慢性GVHDにおいては
    ① CD8陽性T細胞が最も多く浸潤し、全部位で浸潤細胞数はコントロールに比べ有意に多く観察された。浸潤部位では小唾液腺導管周囲が他部位と比べ有意に浸潤細胞数が多かった。
    ② CD8陽性T細胞の小唾液腺導管上皮内への浸潤がみられ、口腔慢性GVHDに特徴的な導管上皮細胞の変性との関連が考えられた。
    ③ CD14陽性細胞が散見された。
    コントロールではCD14陽性細胞はみられなかった。

  3. 「種々の口腔乾燥症に対するピロカルピン塩酸塩投与前後の有効性および安全性の口腔水分計測定などによる検討」IRB承認 11.3.1
    (口腔乾燥症患者へのピロカルピン塩酸塩投与による有効性と安全性についての検討)
  4. 口腔扁平苔癬に対するマレイン酸イルソグラジンに関する治療効果の検討
    (口腔扁平苔癬患者へのマレイン酸イルソグラジン投与による有効性についての検討)
    1) 第64回日本口腔科学会学術集会にて「口腔扁平苔癬に対するマイレン酸イルソグラジンの治療効果の検討 」発表

平成23年度 研究

  1. サラジェン自主臨床研究開始 4.1
    「種々の口腔乾燥症に対するピロカルピン塩酸塩投与前後の有効性および安全性の口腔水分計測定などによる検討」
    (口腔乾燥症患者へのピロカルピン塩酸塩投与前後の有効性と安全性についての検討)
    症例を一般募集中
  2. 医療用デバイスへのバイオフィルム形成に関わる因子の検索 倫理委員会承認
    (口腔癌患者に対する超選択的動注化学療法カテーテルのバイオフィルムに関する検討)
    パイロットスタディ段階
  3. 口腔扁平苔癬に対するマレイン酸イルソグラジンに関する治療効果の検討
    (口腔扁平苔癬患者へのマレイン酸イルソグラジン投与の有効性についての検討)
    1) 第65回日本口腔科学会学術集会にて「口腔扁平苔癬に対するマレイン酸イルソグラジンの治療効果の検討(第二報)-マレイン酸イルソグラジン単剤の効果-」発表
    2) 第56回日本口腔外科学会総会・学術大会にて「口腔扁平苔癬に対するマレイン酸イルソグラジンに関する治療効果の統計的検討」発表

    【背景】

    マレイン酸イルソグラジン(irsogladine maleate 以下、IM)は近年、口腔扁平苔癬(Oral Lichen Planus 以下、OLP)にも臨床応用されている。しかしOLPに対するIMの臨床効果の評価は統計的に検討されておらず、その有用性は確率されていない。

    【目的】

    IMのOLPに対する治療効果について統計的検定を行い、その有用性、および治療効果に関連する要因について検討する。

    【結果】

    ① IM群22例、IM+ステロイド軟膏群13例であった。IM投与期間は1~16か月で、平均5.6か月、中央値4か月であった。全例に副作用は認めなかった。
    ② 2群の各評価項目は両群ともにすべての評価項目で有意に投与効果が認められた。疼痛についてはIM群がIM+S群より有意に改善した。
    ③ 多重ロジスティック回帰分析による投与後スコアの予測式は、投与後スコア=0.035×罹病期間(月数)+0.712×投与前スコア-2.026であった。
    ④ IMはOLPに対して有用で安全性が高い治療法であることが示唆された。