あいさつ

病理診断科長(病理部長) 挨拶

病理診断科長
(病理部長、病院教授)
羽場礼次

香川大学医学部附属病院病理診断科・病理部では、患者さんから採取された組織や細胞の生検診断、細胞診断、手術中の術中迅速診断、病理解剖、臨床各科との合同カンファレンスなどの業務を主に行っています。診療では患者さんの正確で迅速な診断を行うという目標の下、約20人(専属病理医、臨床検査技師、事務員、実験助手など)という少数精鋭のスタッフで、一致団結して日夜業務に取り組んでいます。また、大学病院の病理診断科・病理部という特殊性から診療だけではなく、教育や研究にも力をいれ取り組んでいます。教育面では医学部学生や初期臨床研修医の指導以外にも、日本中で非常に不足している診断病理医の育成(私が所属長就任後10年で14人の入局者あり)、細胞診断のスクリーニングや診断を行う細胞検査士の育成にも力をいれています(同じく10年で香川県内から約15人の夜間実習生の受け入れあり、病理部の検査技師の大部分は細胞検査士)。研究では病理診断学発展のためにより迅速で客観的な診断法を目指して症例発表や研究発表、講演、講習を行い、論文や著書などにまとめ香川から全国へ向け発信しています。また、地方の大学病院に必須とされる地域医療も重視し、大学外(香川県済生会病院、坂出市民病院、KKR高松病院、屋島総合病院、さぬき市民病院、キナシ大林病院、高松医療センター、香川県立白鳥病院、永康病院など)の組織診断や細胞診断および術中迅速診断、病理解剖を行っています。この10年間に医局員は高松赤十字病院、済生会今治病院、沖縄赤十字病院、京都大学医学部附属病院病理部、姫路中央病院などで診断病理医として活躍しています。さらに、医局員のうち2人がニューヨークのMemorial Sloan Kettering Cancer Center(肺腫瘍におけるWHO分類の責任者であるTravisに従事)に5年半留学、トロント大学(下垂体腫瘍におけるAFIPアトラスの責任者であるAsaに従事)へは1年間留学し、病理診断学や研究面で世界トップレベルでの交流も行っています。以上、この10年間で診療・教育・研究面で基礎は十分築かれましたので、次の10年に向かって現在までの業務は当然ながら、特に診断学に関する教育(現在までと同様に全国各地の病理医や臨床検査技師との交流)に力をいれながらスタッフ一同、鋭意努力して参りたいと思っています。暖かいご支援、ご指導をお願い致します。

2015年4月1日
病理診断科長(病理部長、病院教授) 羽場礼次