業務内容

病理診断科・病理部のミッション

香川大学医学部附属病院病理診断科・病理部は、高度先進医療における診療機能や教育の充実、精度管理の維持向上および地域医療への貢献を目的としています。そのため病理診断業務の5つの柱を掲げています。

  1. 病理診断業務の充実と診断精度の向上。
  2. チーム医療への貢献。
  3. 病理専門医、細胞検査士の育成
  4. 医学生、研修医への病理診断学の教育
  5. 病理診断学発展のための研究

病理診断科・病理部の業務内容について

  1. 病理組織診断
  2. 細胞診断
  3. 術中迅速診断
  4. 病理解剖
  5. 臨床各科との合同カンファレンス
  6. CPC(臨床病理検討会)
  7. 医学生や研修医の教育
  8. 病理専門医や細胞検査士の育成
  9. 病理診断学的研究
  10. 地域医療への貢献

1. 病理組織診断

病理組織診断とは患者さんより採取された組織検体から顕微鏡標本を作製し顕微鏡を用いて、がんなどの病変を形態学的に診断する医療行為です。また、病理組織診断は、治療方針や治療薬の決定に用いられる重要な業務です。この診断業務は病理診断を専門とする病理医が行っています。

病理組織診断の写真1
手術により摘出され、ホルマリン固定された組織(胃・胆嚢・脾臓)
病理組織診断の写真2
摘出された組織を観察後に標本作製(切り出し)する病理医
病理組織診断の写真3
提出組織から作製されたパラフィンブロック
病理組織診断の写真4
ミクロトームで標本作製(薄切)を行う臨床検査技師
病理組織診断の写真5
作製された顕微鏡標本(HE標本)
病理組織診断の写真6
顕微鏡を用いて診断

2. 細胞診断

細胞診断とは、患者さんより採取された細胞(子宮頸部、喀痰、尿、胸水、腹水、乳腺、甲状腺)から細胞診標本を作製し、標本内にある異常細胞や悪性細胞を検出して、細胞を診断する業務です。この業務は細胞検査士、細胞診専門医が行っています。

細胞診断の写真1
提出された検体から作製された細胞診標本
(パパニコロウ染色)
細胞診断の写真2
扁平上皮癌細胞(パパニコロウ染色)

3. 術中迅速診断

術中迅速組織診断とは、手術前に病理診断できない病変などに関して、手術中にがんの転移や広がり、病変の有無を調べるため、凍結標本を作製して病理医が診断を行う業務です。術中迅速細胞診断とは、手術中の病変、胸腹水などから細胞を採取して標本を作製し、細胞検査士や細胞診専門医が診断を行う業務です。これらの術中迅速診断業務により手術中に病変の診断や進行度などが判定されています。

術中迅速診断の写真1
凍結標本を作製する臨床検査技師
術中迅速診断の写真2
術中迅速診断をする病理医

4. 病理解剖

病理解剖とは亡くなられた患者さんの臨床診断や治療、死因の解明などを目的として、御本人または御遺族の承諾を得て行われる解剖業務です。この病理解剖は患者さんおよび御家族の御遺志による献体により支えられており、診療水準の向上や医学教育に貢献しています。

5. 臨床各科との合同カンファレンス

他科との合同カンファレンスの写真1
カンファレンス

カンファレンスとは患者さんの診断と治療のために、主治医をはじめ臨床各科の医師と放射線科医、病理医などが症例について集学的に行われる検討会です。またこのカンファレンスには研修医や医学部学生も参加しており、教育効果の一端も担っています。

6. CPC(臨床病理検討会)

CPCとは病理解剖を行った症例について、主治医をはじめ専門医や病理医などが診断と治療、死因などに関して集学的な検証を行う検討会です。CPCは医療レベルの向上、また学生、研修医、若手医師などの必須教育の場となっています。

CPC(臨床病理検討会)の写真1
臨床病理検討会
CPC(臨床病理検討会)の写真2
病理医が組織像について解説

7. 医学生や研修医の教育

学生の教育の写真1
実習医学生に講義をする羽場先生

病理部・病理診断科では、臨床教育の一環として1年生~6年生に病理組織診断学や細胞診断学を中心に教育を行っています。また、適確な病理診断を行うためには、患者さんの検体の取扱いは非常に重要であるため、検体処理法や標本作製方法についても指導を行っており、医学部生や研修医などの若手医師にも検体の取扱いについて指導をしています。

学生の教育の写真2
講義風景
学生の教育の写真3
医学実習生が実習報告、発表の風景

8. 病理専門医や細胞検査士の育成

病理専門医や細胞検査士の育成の写真1
受験生に指導している細胞検査士

診療に直結した病理業務を行う病理医は附属病院の中で、患者さんや臨床医に囲まれた環境で育成する必要があります。欧米先進国を見るまでもなく、病理専門医が臨床医である以上、当然のことと言えます。

9. 病理診断学的研究

病理診断学に関する臨床的研究を行っています。特に日常業務における正確で迅速な診断を行うため、多数の症例を様々な方法で解析し、患者さんの治療や予後の推定などに関して検討を行っています。

☆☆☆臨床研究に関するご案内(オプトアウト)について☆☆☆

 

香川大学医学部附属病院では、診療に伴って取得した患者さんの貴重な個人情報を含む記録や尿・血液等の検査試料、生検組織(内視鏡検査で検査のために採取した組織等)又は摘出組織等の試料が発生します。 それら記録試料等を本院は、医療機関としてだけでなく、教育研究機関として所定の目的に利用させていただきたいと思いますので、患者さんのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
  • 2017年1月1日~2018年12月31日までに病理解剖をされた患者様のご遺族様へ疫学調査ご協力のお願い【PDF】
  • 10. 地域医療への貢献

    地域医療への貢献の写真1
    香川腎組織カンファレンスで座長をしている
    串田先生

    香川腎組織カンファレンスでは、香川大学と香川県の医師を対象としたオープンカンファレンスを開催しています。また病理医不足のため香川県内外における一般病院の病理診断、迅速診断、病理解剖を行い、地域医療に貢献しています。

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