HOME > 診療案内 > 漏斗胸など胸郭変形の治療

診療案内

漏斗胸など胸郭変形の治療

ダイジェストはここをクリック

漏斗胸に関する専門サイト「胸のかたち」研究室を開設しました。漏斗胸に関する基本的な知識や香川大学形成外科の取り組み・信頼できる病院の選び方などの多くの情報を掲載しています。是非ご覧ください。

漏斗胸

漏斗胸の手術は「かたち」を直す手術です。
「かたち」の専門家である形成外科医にお任せください。
» 朝日新聞に記事が掲載されました
» 医療専門誌に記事が掲載されました(H27年5月)
(担当者・永竿は平成26年9月より香川大学形成外科に転任しました)

漏斗胸の患者さんの心肺機能は、正常人に比べて若干低下がみられますが、日常生活に不自由があるほどではありません。しかし胸郭が陥没していることは劣等感の原因となり、何事においてもいま一つ積極的になれないという悩みを抱える場合も多く見られます。

現在、漏斗胸に対しての治療はかなり発達しており、比較的目立たない傷で効率的に胸郭の形態を修正することができるようになりました。術前(左)および術後(右)の状態を上に示します。

別の患者さんの術前・術後です。

香川大学病院における漏斗胸治療の特徴

漏斗胸に対して治療を行う施設は多くはありませんが、各施設にそれぞれの特徴があります。香川大学病院 形成外科においては、患者さんの期待にお答えするために以下のような取り組みをしています。

1.「あばら」のみではなく「むねのかたち」のトータルケア

胸のかたちを決定する要素には、①肋骨ならびに肋軟骨の形 ②大胸筋など筋肉の形 ③皮下組織の量、とくに女性では乳房 の3つの要素があります。これらのなかで、漏斗胸の手術によって解決することができるのは ①肋骨ならびに肋軟骨の形 の要素です。変形が「あばら」のみによって生じている場合においては、これだけで満足の行く結果が得られるでしょう。しかし「あばら」の形が変わっても、それだけでは満足できる結果が得られない場合もしばしばあります。陥没が非対称性な場合や、片方の大胸筋や乳房が未発達な場合です。こうした場合においては、ナス法など漏斗胸に対する治療のみでは問題の根本的な解決にはなりません。筋肉のボリュームを増やしたり、乳房の大きさをすこし大きくしたりする処置を併せて行わなくては、満足の行く結果は得られません。こうした「かたち」の調整は、形成外科医の最も得意とするところです。当施設においては脂肪移植や乳房の形成手術も行っております。状況に応じて、これらの治療も組み合わせることで、より満足度の高い結果を提供することができます。

もっと詳しく「胸のかたちをトータルで治療する」

漏斗胸において最も大きな問題はたしかに胸郭(あばら骨および肋軟骨)のかたちです。しかしあばら骨の形さえ整えればよい、というほど漏斗胸の治療は簡単なものではありません。
なぜなら漏斗胸においては多くの場合、胸郭の以外にも問題があるからです。たとえば・・・

1.筋肉のボリュームが少ない

とくに男性において問題になります。大胸筋や小胸筋など、あばら骨に付着している筋肉の量が少ない場合にはあばら骨の形のみを修正しても、胸の形が左右非対称で残ってしまいます。例えば下の症例では胸郭の凹みはとれたものの、矢印の部分に凹みが残っています。こうした変形を改善するためには、脂肪や軟骨組織の移植が必要です。

2.乳房の形が小さい

女性の漏斗胸患者さんの中には、凹んだ側の乳房が若干小さな方がいらっしゃいます。例えば左の患者さんは漏斗胸の手術をお受けになりましたが、右の乳房の形が少し小さいために満足の行く胸の形が得られていません。
このような患者に対しては、さらに乳房の形を整える必要があります。シリコンインプラントや、自分の組織を移植する方法により胸の形を整えます。

以上のように、漏斗胸の治療を行うにあたっては、脂肪などの組織を行う方法や、乳房の形を整える技術が必要です。すなわち漏斗胸の治療を行う医師は、同時に乳房の手術も手がける実力を持っていなくてはいけませんし、皮膚や脂肪の扱いにも通じていなくてはいけません。「かたち」の専門家である形成外科医は、ひと味違った結果を出すことができます。

2.痛みの少ない治療

漏斗胸の手術においては「あばら」のかたちを整えるわけですから、手術が終わってから数日間は胸部に違和感が生じる場合があります。食事や歩行がスムーズに行えるように、熟練した麻酔科医によるペインコントロールが行われています。

もっと詳しく「痛みの少ない治療」

「漏斗胸の治療は痛いの?」という質問をしばしば耳にします。まず、手術の最中には麻酔がかかっているために、痛みを感じることはありません。ただし胸の骨や軟骨に対して手術操作を加えるわけですから、手術が終わったあとに違和感をもつ患者さんもおいでになります。ただしその感覚は一般的に想像されるような「切られる」痛みではなく、胸に石がのっているような違和感です。手術が終わってから数日間はそうした違和感は続きます。香川大学 形成外科においてはこうした違和感を軽減し、患者さんに楽な治療を受けていただくために以下のような取り組みを行っています。

1.熟練された麻酔科医による管理を行っています

専門医・指導医の資格を持つ麻酔科医により徹底的な痛みの管理がなされています。例えば下の写真はポンプの一部で、黄色い部分を押すと薬液が多く流れるようになっています。漏斗胸の手術のあとには、数日の間点滴を留置します。点滴チューブから痛み止めの薬液を流します。写真のポンプを使って、薬液が流れる量を患者さんご自身がある程度調節できるようにします。こうした工夫を行うことで違和感を最小限に抑えます。

2.痛みが生じにくいように工夫して手術計画を立てています

漏斗胸の手術後に違和感が生じるのは、肋骨や肋軟骨に「ひずみ」が生じます。どのような手術方法を採用するのかによって「ひずみ」の程度は異なります。例えば右に示したように、同じく漏斗胸の手術と言っても矯正バーを1本使う場合と2本使う場合があります。

私たちは、漏斗胸に対して手術を行うと、肋骨にどの程度の「ひずみ」が発生するのかを独自に開発した技術を用いて計算し、より痛みの生じにくい方法で手術を行っています。たとえば右で示した図はある症例の術前検討で、バーを1本いれた場合と2本入れた場合とで、どちらにおいて痛みが少なくできるかを解析しています。

このような解析技術を有しているのは、本邦で漏斗胸の手術を行っている施設では香川大学 形成外科のみで、世界的にも高い評価を受けています。心臓外科・胸部外科領域において世界で最も権威ある雑誌である。Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgeryにわれわれの技術について掲載されました。

3.手術の傷あとを目立たなくする工夫(香川大学式切開法)

漏斗胸は「かたち」を治す手術ですから手術の傷あとが少しでも目立たなくなるように注意して行う必要があります。私たちは傷あとを目立ちにくくする新しい手術方法を開発しました。また、傷あとを目立ちにくくするために形成外科医ならではのテクニックを用いて工夫をしています。

もっと詳しく「傷跡を目立たなくする工夫」

漏斗胸に対するナス手術においてはたしかに「小さな傷で手術を行える」という利点はあります。しかしこれは別の見方をすれば、「小さな切開線から無理をして操作をしなければいけない」ということでもあります。

小さい傷口から治療が行われたとしても、右上の図で示すように、手術の最中にその切開創をかなり引っ張ります。

その結果、手術の傷が右下に示す様に「ミミズ腫れ」になってしまうことがあります。

私たちは傷が手術の後に少しでも目立たなくなる方法を考えたすえ、“leaf incision technique”という新しい皮膚切開法・縫合法を開発しました。私たちの開発した方法は海外でも高い評価を受けており、形成外科で最も権威の高い臨床雑誌の一つである”Journal of Plastic Reconstructive and Aesthetic Surgery”に発表しました。

The ‘leaf incision': a new technique for secondary operations requiring simultaneous scar revision. Nagasao T, Miyamoto J, Sakamoto Y, Nakajima T. J Plast Reconstr Aesthet Surg. 62:144-145, 2009.

4.「かたち」を良くするための十分な術前計画

漏斗胸のナス手術に置いて難しい点は、いかに美しく「かたち」を整えるかということです。ひとくちに手術を行うといっても、矯正バーをどの部位に入れるのか、何本用いるのかによって、結果が全く異なります。私たちは美しい胸郭のかたちをつくるために、理工学的な技術を用いて手術の計画をたてています。こうした試みは国内外で高く評価されています。

もっと詳しく「綿密な手術のプラニング」

漏斗胸に対する矯正手術においては、金属バーを胸郭に装着して胸郭の形を整えます(図1)。この手術方法(ナス法)については多くのサイトにて紹介されています。

本手術の原理は非常に単純ですが、単純なものほど奥が深いのが世の中の常で、手術を行うにあたっては、十分な手術計画を練る必要があります。このことについてわかりやすく説明します。

胸郭は左右12本の肋骨と背骨・胸骨より構成されています。この構造はちょうど「鳥かご」に似ています(図2)。

このように考えると、漏斗胸の治療とは凹んだ鳥かごを直すのに似ているといえます。

凹んだ鳥かごを、内側から押せばその凹みは直すことが出来ます。金属バーを用いた矯正手術(ナス法)はまさにこの原理に基づく手術です(図3)。

凹んだ鳥かごを内側から押して直す場合、凹みのどこを押すのかによって直る形が異なります。それと同じことで、漏斗胸に対して手術を行う場合、何番目と何番目の肋骨に矯正バーを装着するのかを患者さんごとに注意深く計画することが必要です。例えば図4においては、右上の患者さんでは一本のバーで良い形が得られましたが、右下の患者さんでは2本のバーが必要でした。

このように患者さんによって使用するべきバーの本数や、バーを入れる場所は異なります。これは当然のことで、一口に漏斗胸と言っても胸郭のどの部分が凹んでいるのか、どの程度凹んでいるのかが患者さんひとりひとりで異なるからです。漏斗胸の手術を行うにあたっては、「何番目の肋骨にどのようにバーを装着するのか」という手術計画が、とても大切です。こうした計画を綿密に練ることによってはじめて、患者さんに満足していただける、良好な結果をだすことができます。

わたしたちは少しでも美しく胸郭の形を整えるべく、工学の技術を用いて手術計画を立てています。その手順につき簡単に紹介します。

まず、患者さんのCTデータを撮影します。撮影したCTデータを加工してコンピューターシミュレーションモデルに変換します(図5)。

このシミュレーションモデルでは、肋骨や筋肉など胸郭を構成しているおのおのの部分が仮想状の棒やバネで模擬されています(図6)。

コンピューターを利用した解析計算を行うことにより、バーを挿入すると胸郭の形がどのように変わるのかを予測することができます。

このような技術をおのおのの患者さんに対して用いることにより、手術結果を予測しつつ的確な治療計画をたてることができます。

われわれの開発した技術に対して平成22年度の日本形成外科学会賞が与えられました。

また、世界の胸部外科学会で最も権威のある臨床医学雑誌であるJournal of Cardiovascular and Thoracic Surgeryに右記の3編の論文を発表しています。本邦においては多くの施設で漏斗胸の治療が行われていますが、手術方法や治療計画に関しての研究面において、香川大学 形成外科は本邦で最高レベルにある施設のひとつです。

5.こどもにも大人にも対応が可能

矯正バーによる漏斗胸の治療は、開発者であるドナルド・ナス氏が小児外科の医師であることもあり、数年前までは小児のみがその対象と考えられてきました。このために「成人の漏斗胸は治療が不可能」との誤ったイメージが医療者の間にすら定着してしまいました。その結果、ご自身が漏斗胸であることをウェブサイトなどで知り、医療機関を受診しても「治療はできない」と誤った説明がなされることがあります。しかし「大人になったから治療はできない」と思うのは全くの誤りです。香川大学病院形成外科においては小児に対しても、成人に対しても治療を行っています。また逆に、小児期に手術を行っても成人にいたって再変形を呈する患者さんもおいでになりますので、漏斗胸に対して手術を行う施設は、小児および成人の双方に対して治療を行える体制を持っているべきであると、私たちは考えています。

よくあるご質問

Q.入院期間は?

1週間~10日間くらいです。

Q.何歳になっても手術が出来ますか?

金属バーによる矯正手術が開発された当初は、開発者であるドナルド・ナス先生が小児外科であったこともあり小児のみが治療の適応となると考えられていました。しかしその後の発展につれ、成人でも治療が行えることがわかって来ました。香川大学病院では4~5歳の小児から40代の成人まで、幅広い年齢層に対して治療を行っています。

Q.費用はどのくらい?

10日間の入院でオーソドックスな方法で治療を行う場合には以下のようになります。年齢により費用が異なります。

15歳以上の場合

保険適応で3割負担と仮定すると負担分は50万円程度になりますが、漏斗胸は高額療養費の対象疾患ですので、国民保険または社会保険加入者は一部が還付されます。収入にもよりますが、限度額認定証を加入されている保険から取得した場合、実際に治療費としてお支払いいただく金額は18万円以下になります(所得に応じて18万円・10万円・3万円の3段階)。

15歳未満の場合

お住まいになられている地域の自治体にもよりますが、育成医療の対象になりますので、治療費のかなりの部分が自治体より負担されます。
(自己負担分は多くの自治体において月額1万円程度です。詳しくはお住まいの地域の区役所・市役所にお問い合わせください。)

Q.痛みはありませんか?

術後しばらく、胸が圧迫されるような感じや、背中に違和感がある場合があります。しかし適切な管理によってかなり軽減します。想像されるような、切られるような痛みは一切ありません。

Q.いつから普通に生活ができますか?

退院直後からデスクワークや登校が可能です。歩くことや走ることも可能です。

治療の具体的な流れ

ステップ1:外来を受診してください

漏斗胸の担当者は永竿(ながさお)医師(教授・診療科長)です。
外来診察日は基本的に月曜日の午前中ですので、月曜日の午前中に予約を取った上でお越しください。
紹介状がなく、あるいは予約が入っていない患者さんでも漏斗胸の患者さんに関しては、月曜日においでになっていただければ診察を受付けています。

→外来受診システムについて

ステップ2:診察および治療方針の決定

状態を拝見した上で、治療方針を決定します。
手術の適応になる場合には、手術日を決定します。

ステップ3:検査

術前の検査を予定します。
胸の状態を確認するためのCT検査や、全身麻酔をかけるのための状態のチェックを行います。

ステップ4:入院および手術の施行

手術の前日に入院していただきます。翌日に手術を行い、7~10日後に退院します。

ある患者さんの治療スケジュール

平成23年12月6日外来を初回受診
平成23年12月15日CT検査を施行
平成24年1月17日術前検査(採血・レントゲン・心電図など)
平成24年2月3日手術を施行
平成24年2月10日退院

こどもの患者さんに対する取り組み

小児専門病棟への入院と管理

学校の検診で指摘されたりインターネットで検索をしたりしてご自身のお子さんが漏斗胸らしいと気がついても、どの病院の、どの診療科を受診して相談すれば良いのかが分かりにくいご両親が多いようです。
小児の病気だから小児科または小児外科など、「小児」と名のつく診療科でなくてはいけないかと考えがちですが、決してそのようなことはありません。
香川大学形成外科においては漏斗胸以外にも手足・耳・頭の形の修正や、生まれつきのアザの治療も多く行っている関係上、患者さんの約4割が14歳以下の小児です。したがって小児に対する診療のノウハウも、小児のみを対象とする診療科と同じく豊富にもっております。かつ、お子様の患者の場合は小児専門病棟に入院いただいたうえで、小児科と緊密な連絡をとりつつ治療にあたっています。したがってこどもの患者さんは安心して入院・治療をお受けになることができます。

小児病棟の例

長期にわたるフォローアップが可能

漏斗胸に対する手術は、肋軟骨が柔らかい小児期に行うのと簡単なので、小学生または中学前期に、初回の手術治療が行われることが多いです。もちろん、初回の手術で良好な結果が得られる場合には問題はありません。
しかし小児期に一旦胸郭の形が改善したとしても、中学・高校期に身長が伸びるうちに、再び変形が生じてくる場合もあります。
すなわち、漏斗胸は小児期において治療が行われることの多い疾患ではありますが、小児期における手術だけですべての問題が解決せず、大人になった後も、さらなる改善を求めて、何らかの治療を希望される患者さんがおおくおいでになります。
たとえば、小児期に一旦は胸の凹みが治ったとしても、思春期を迎えて、男性ならば「もう少し胸を逞しい感じにしたい」という更なる望みが湧いてくることがあります。
また女性の漏斗胸患者さんの場合には、「あばら」の変形のみではなく、思春期から成人期にかけて乳房にも左右非対称が生じてくることが多い(より詳しくは「女性の患者さんに対する取り組み」をご参照ください)ので、乳房の形を整える手術が必要となることがしばしばあります。
このように漏斗胸の治療は、小児期から成人に至るまでの、長期のフォローアップが必要とされる、という側面を持っています。そして成人期に至ってからさらに胸のかたちの改善を望まれる場合には、筋肉や脂肪の移植や、乳房の美容など、特殊な技術が必要とされます。当院の形成外科においては漏斗胸に対する手術以外に、顔面や頸部のがんの切除による身体の変形を修正したり、乳がんの術後に生じる乳房のかたちを整える手術についての治療も行っておりますので、成人期に至るまで、あらゆる側面からの長期のフォローアップを行う上で有利です。

女性の漏斗胸

女性の患者さんの治療における、私たちのこだわり

思春期前の女児について

漏斗胸に対する手術においては、矯正バーを装着するために小切開を置きますが、どの部位の皮膚を切開するのか、位置の選択には十分注意することが必要です。なぜなら注意して切開を行わないと、第二次性徴以後に乳房の上に「きずあと」が生じることになりかねないからです。乳房の上に「きずあと」が生じてしまうと、それ自身が目立ちますし、引き連れを起こすことで乳房の変形の原因になるからです。形成外科においては、手術や怪我によって生じた「きずあと」に対する治療にも取り組んでおり、いかにして「きずあと」を柔らかくするか、目立たなくするかについての専門的な技術をもっています。こうしたノウハウを十分に活用して手術ならびに術後のケアを行うことで、小児の患者さんが健やかに学校生活を送るように配慮しております。

成人女性について

乳房変形の可能性

女性の漏斗胸患者においては「あばら」の形以外に、乳房にも若干の形の問題を伴う場合がしばしば見られます。
具体的には
1.左右の乳房の大きさが異なっている
2.乳頭の位置が左右でことなる
3.左右で形のアンバランスはないが、両側の乳房の大きさがともに小さい。
といった問題を伴っている場合が多く見られます。

たとえば上の写真はある女性の漏斗胸患者さんですが、左側の乳房に比べて右が小さくなっています。

このように、女性の漏斗胸患者さんの場合には乳房の形に関する問題を伴っていることが多く、あばら骨の形のみを手術により修正したとしても、満足できる結果は得られない場合があります。女性に対して漏斗胸の治療を行うためには、乳房の手術においても一定の美容外科的技術を持っていることが不可欠であると私たちは考えています。
当院の漏斗胸担当者(永竿:月曜日外来担当)は、乳がんの切除などに起因する、乳房の整容手術の認定資格を有しており、漏斗胸治療のかたわら、乳がんの術後の乳房再建手術も数多く手がけています。さらに、いかにすればよりよい乳房のかたちを得ることができるのかについて、以下のような研究を行っております。

研究1:乳房手術における、自然な手術デザインの研究
研究2:人工インプラントを用いて美しい乳房形態を得る研究

これらの取り組みにより良好な治療成績をあげておりますので、多くの女性の漏斗胸患者さんが全国各地より香川大学病院においでになっております。

「胸のかたち」相談室

胸のかたちに関する相談をメールにて受けつけています。
以下の注意をよくお読みになった上で、ご相談ください。

(氏名・住所・電話番号)をご記入ください。
不特定多数の方よりご質問を受けると返信が不能になるためです。
お送りいただいたこれらの情報は当方よりの返信以外の目的には一切使われません。
診察ではなく相談ですので、回答に対する治療上の責任は負いかねます。
位置づけとしては、「いかに治療を受けるか」に関する誘導です。
治療をお受けになる場合には正規の外来診療をお受けになっていただく必要があります。
ご本人またはご家族以外の方に関するご質問はご遠慮ください。

pagetop