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間質性膀胱炎

間質性膀胱炎とは

間質性膀胱炎については明確な定義や広く合意の得られた診断基準はありません。
日本の間質性膀胱炎診療ガイドラインでは“膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患”とされています。

間質性膀胱炎の症状

頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、尿意亢進、膀胱不快感、膀胱痛などがあります。 不快感や疼痛は排尿後には消失・軽減する事が多いとされています。 症状は一定ではなく、悪くなったり良くなったりを繰り返します。 胡椒・唐辛子などの刺激物やコーヒー・アルコールの摂取で症状が悪化する人もいます。また精神的なストレスも症状を悪くさせる要因となるようです。

検査

尿検査、排尿記録(排尿毎に時間と量を記録)、尿流動態検査、膀胱鏡検査などが行われます。 間質性膀胱炎の診断には他の病気を否定することが重要となり、細菌性膀胱炎や膀胱癌、膀胱結石、過活動膀胱、前立腺肥大症などの泌尿器科疾患でも同様の症状を呈する事があり注意が必要です。 また、子宮筋腫は更年期障害などの婦人科疾患の除外も必要となります。

治療

保存的治療

定時排尿・骨盤底筋体操・膀胱訓練などの行動療法や香辛料やコーヒー・アルコールを控えるといった食事療法によって症状が改善することがあります。食品による影響には個人差があり、過度に制限を行う必要はありません。

膀胱水圧拡張術

間質性膀胱炎の診断と治療を兼ねて行われる手術です。麻酔下に膀胱内に生理食塩水をためて拡張します。 水を抜く際に間質性膀胱炎に特徴的な出血を確認することがあります。潰瘍を認める場合は併せて焼灼を行います。

薬物療法

抗ヒスタミン薬や抗うつ薬、トシル酸スプラタストなどが用いられます。
明らかな感染を伴わない場合には抗菌薬は使用しません。

※間質性膀胱炎(ハンナ型)は指定難病であり、重症の場合などは医療費助成の対象となります。