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過活動膀胱

過活動膀胱とは

突然、我慢できない強い尿意をもよおす症状(尿意切迫感)が必須で、通常は頻尿をともないます。
同様の症状を示すような他の病気(膀胱がんや前立腺がんなどの悪性腫瘍、尿路結石、膀胱炎や前立腺炎などの炎症性疾患など)を除外しなければなりません。

症状

尿意切迫感のほか、昼間の排尿回数が多い、夜間1回以上排尿のために目を覚ます、トイレまで間にあわずに尿をもらすといった症状があります。

検査

尿検査や残尿測定が行われます。排尿状況の確認のために排尿記録を記載してもらいます。また過活動膀胱と同様の症状を示す他の疾患を除外するために、超音波検査、血液検査、台上診、直腸診などが行われることがあります。


治療

まずは行動療法や薬物治療を行います。薬物治療で改善がない場合は、神経変調療法やボツリヌス毒素治療法といった治療も選択肢としてあげられます。
前立腺肥大症や骨盤臓器脱に過活動膀胱を合併している場合には、それらの治療を先行すると症状が改善することがあります。

行動療法

水分摂取や体重管理、運動、禁煙、食事といった生活習慣についての指導や、尿意を我慢して少しずつ膀胱にためられる尿量を増やす膀胱訓練、骨盤底筋体操をはじめとする理学療法などがあります。

薬物療法

排尿障害を改善する薬(α1遮断薬やPDE5阻害薬)、蓄尿障害を改善する薬(抗コリン薬やβ3受容体刺激薬)を単剤または併用します。

神経変調療法

電気刺激を行う干渉低周波療法や仙骨神経刺激療法*があります。仙骨神経刺激療法は、神経に電流を流すことで膀胱の異常収縮を調節する治療です。そのためには電流を流すリードと電池を植込む必要があります。

ボツリヌス毒素治療

ボツリヌス毒素を膀胱壁に注入することによって、膀胱の異常な収縮が抑制され尿意切迫感などの症状が改善します。

*当院では行っていませんが、ご希望があれば香川大学の関連施設をご紹介可能です。