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PSMA PETとPSMAリガンド療法

香川県内唯一のPSMA PETおよびPSMA標的療法(プルヴィクト)を導入

近年、前立腺癌の診断と治療は大きく進歩しており、その中でもPSMA PETとPSMAリガンド療法は、進行前立腺癌診療における重要な新しい選択肢として注目されています。

PSMA PETとは何か

PSMA PETは、前立腺癌細胞に高発現しやすい**PSMA(prostate-specific membrane antigen:前立腺特異的膜抗原)**を標的とした画像検査であり、従来のCT、MRI、骨シンチグラフィでは見つけにくかった病変の検出に役立つ可能性があります。

この検査はPSMAリガンド療法が効きやすいかどうか、を判定するため(コンパニオン診断)に行われます。
わが国では、PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌患者に対して、PSMA標的療法を行うべきかどうかを判定するための撮影する場合のみ、保険診療として認められています。

香川大学医学部附属病院では自費診療での検査も受け付けております。
詳細は以下をご覧ください。

ガリウム PSMA PET/CT検査の予約方法 | 香川大学医学部附属病院

待望のPSMA画像診断と治療
泌尿器科教室だよりURO info(vol.005 / 2026年3月号)-pdf

PSMAリガンド療法とは何か

PSMAリガンド療法は、PSMAを標的とする薬剤に**ルテチウム177(^177Lu)**などの放射性同位体を結合させて体内に投与し、PSMA陽性の前立腺癌細胞へ選択的に放射線を届ける治療です。

薬剤がPSMA発現細胞に結合・取り込まれることで、β線によりDNA障害を与え、腫瘍細胞死を引き起こすと考えられています。

どのような患者さんが対象になるのか

PSMA陽性の転移性去勢抵抗性前立腺癌で検討される治療です。したがって、この治療はすべての前立腺癌患者さんに行うものではなく、病期、治療歴、PSMA発現、全身状態を慎重に見極めたうえで適応を判断する専門的治療といえます。
適応があるかどうかは、専門医との相談が必要になります。

副作用と注意点

代表的な有害事象として、倦怠感、口渇、悪心、骨髄抑制(貧血、血小板減少、白血球減少)、腎機能への影響などが問題となることがあります。

また、遮蔽構造を持つ放射線治療病室もしくは適切な防護・汚染防止措置を講じた特別措置病室での治療が必要な観点から、食事や排泄、清潔動作などの日常生活が自立していない患者さんや、せん妄や認知症にて徘徊する恐れがある患者さんは治療が困難となります。

ご紹介のお願いと連携の流れ

PSMA PET検査とプルヴィクト治療は、現時点で実施できる医療機関が限られており、香川県内で両方に対応しているのは当院のみです。
PSMAリガンド療法には専用の治療病室(放射線管理区域)が必要であり、全国的にも導入施設は多くありません。そのため、今後は紹介患者さんが増え、治療待機が長くなる可能性があります。

当院では、検査・治療の流れを円滑にするため「PSMA外来」を開設し、治療が可能かどうかの評価や、副作用の確認を専門的に行っています。地域の医療機関の先生方と連携し、患者さんにより良い治療を届けられるよう努めてまいります。
適応患者さんの検討や具体的な紹介方法など、ご不明な点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

[診断から標的治療へ]PSMA標的療法というパラダイムシフトを患者さんへお届けします
泌尿器科教室だよりURO info(vol.005 / 2026年3月号)-pdf